準決勝の試合の時、星葉高校がスタンドでビデオカメラを回していたのに気づいた南雲。山住に「賀門監督に対策されます」と言って、星葉戦は犬塚ではなく、根室(兵頭功海)を選抜させたいと伝えた。
初戦からエースとしてマウンドに立ってきた犬塚は実力もあり、信頼できるピッチャーだが、分析され、対策が講じられているはず。それならば、サイドスローからオーバースローにフォームを改造し、球速も球威も増している根室をぶつけたい。そう南雲は考えた。
星葉は犬塚が受験で落ちた高校で、それまで一緒に野球をやっていた元チームメイトも多く在籍する。準決勝で当たることが決まった時、球場で「何夢見とんの」と犬塚が言われているのも南雲は目にしていた。
それでも南雲は勝つため、全員で甲子園に行くために決断した。
星葉戦のスターティングメンバーが告げられた。ピッチャーは根室。そして不動の4番だった楡(生田俊平)を3番にして、4番には2年生の中世古(柳谷参助)をすえた。さらに、主将の椿谷を下げて、ベンチスタートに。
スタメン落ちや打順の降格は部員たちを動揺させ、落胆させた。しかし、そうなることも南雲は織り込み済み。南雲は山住に、自分は非情に徹して、その代わりに山住に部員たちのフォローをしてほしいとお願いしていた。山住は南雲の思いを汲み取り「鬼の南雲、仏の山住ですね」と快諾。山住は犬塚と話をしたりして、しっかりとフォローした。
部員たちも、自分たちが監督として戻ってきてほしいとお願いして復帰してくれた南雲を信じようと決め、それぞれが万全な状態で星葉戦当日を迎えた。
ただ、試合直前に山住が病院に運ばれるというアクシデントが発生。練習中に日沖(小林虎之介)が打ったボールが山住の脇に当たり、その時は気丈に振る舞っていたが、試合当日にそれが悪化してしまったようだ。これは日沖だけでなく、他の部員たちにも影響がありそうだが、次回重要な星葉戦をどう戦うのか、試合の采配はもちろん、部員たちへのケアなど、南雲の腕が試される。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※このドラマは「下剋上球児」(カンゼン/菊地高弘 著)にインスピレーションを受け企画されたが、登場する人物・学校・団体名・あらすじはすべてフィクションです。
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