吉高由里子が石山寺での逢瀬について語る「当時は感性がむき出しに先行していた時代で、それはそれで美しいんじゃないかな」<光る君へ>

石山寺で一夜をともにした吉高由里子“まひろ”と柄本佑“道長”(C)NHK

道長の子どもがいるからどうだとか思える次元じゃないと思います


――第27回(7/14放送)ではまひろが道長と石山寺でばったり出会い、一夜をともにしました。道長との子を身ごもる展開についてはどのように感じましたか?

話題になってましたよね。石山寺の人がSNSに「参籠所で添い寝しないでください」って書かれたりして(笑)。

まぁ人間ですからね。そういうこともあるんじゃないかなと。不倫不倫って騒がれる世の中になってしまったけど、みんな正義感との戦いになっているというか。そのルールって平和であるためだけど、自分の感性の豊かさを削っていくものなのかなとも思ったり…。でも、当時は感性がむき出しに先行していた時代で、それはそれで美しいんじゃないかなと思います。

――まひろはもともと「正妻でなければ嫌だ」と思っていましたが、道長との子を産みました。そこには「正妻ではないけれど道長との子を持っている」っていう自信みたいなものがあったと思いますか?

それはないと思います。宣孝(佐々木蔵之介)の妻になっている時点でもう正妻とか妾とかのこだわりはなくなっていると思いますね。やっぱり若い頃って経験がないからこそ想像でものを言えるというか、自分の可能性も多く見積もっちゃったりするんだろうなと思うんですけど、生きていてある程度年齢を重ねたら、そうはなれない難しさっていろいろあるじゃないですか。私たちの時代でもそうだと思うんですけど。そういうのが分かったんでしょうね。“自分の人生はもうこれ以上ない”というピークが分かったんだと思うんです。

でも親とかに心配かけたくないという気持ちもあったと思いますし、妾で養ってもらう関係とかもすごく嫌だったと思うんですけど、もうそこしか選ぶ選択肢がないところまできてたんじゃないかな。最後はちょっと申し訳ないけど、すがる思いでもらってくれるっていう宣孝さんのところに行ったような気がしますから。道長の子どもがいるからどうだとか思える次元じゃないと思いますね。