吉高由里子が石山寺での逢瀬について語る「当時は感性がむき出しに先行していた時代で、それはそれで美しいんじゃないかな」<光る君へ>

「光る君へ」第32回より(C)NHK

まひろにとってはすごく大きい一言だったと思いますね


――まひろと道長は“ソウルメイト”という絆でつながっていますが、ソウルメイトとはどんな存在だと思いますか?

道長とまひろはもう恋愛とかを越えている次元なので、多分“よりどころ”なんですかね。お互い光と影のような存在で、まひろが光っているときは道長が影で支えてくれていて、道長が光っているときはまひろが影で支えている、みたいな関係なんじゃないかな。

――柄本さんとは「知らなくていいコト」(2020年日本テレビ系)でも共演されていましたが、撮影現場はどんな様子ですか?

優美な動き方が多いので、現場がドタバタ激しく動いている感じではないですが、逆に大変なこともたくさんあります。今、まひろは内裏に上がって藤壺で女房として働いているのですが、為時邸にいたときの方がはるかに動きやすいというか。まひろの役としてもそうですけど、私自身も女房装束を着ていると気軽に動けなくて。しかも幅が大きいので、どこにいて何をしているかが全部ばれてしまうんです。本当にプライベートがないですね(笑)。

――第32回で父・為時がまひろに「おまえが女子(おなご)であってよかった」と言うシーンがありましたが、そのシーンはどのように感じながら演じられましたか?

あそこはすごく大事なシーンでしたね。今まで「おまえが男であったなら」としか言われてこなかったまひろがやっと認められたというか。自分のことを一番認めてもらいたい人がお父さんだったと思うんですね。お父さんの遺伝子があったから作家として注目される人物になるわけですし。

そんなお父さんから「おまえが女子であってよかった」と言われて、やっと“生まれてきてよかった”と思えた瞬間なんじゃないかな。まひろにとってはすごく大きい一言だったと思いますね。