女優の長澤まさみが8月29日、都内で行われた映画「スオミの話をしよう」完成報告会『「スオミの話をしよう」の話をしよう！』に、共演の西島秀俊、松坂桃李、瀬戸康史、遠藤憲一、小林隆、坂東彌十郎、戸塚純貴、宮澤エマ、脚本・監督の三谷幸喜と共に出席。三谷が制作のきっかけに長澤の存在があることを明かした。
本作は、三谷が「記憶にございません！」以来5年ぶりに手がけた映画監督・脚本作品。長澤を主演に迎え、突然失踪した女性と彼女について語り出す5人の男たちを描いたミステリーコメディとなっている。
作品への思いを三谷は「『鎌倉殿の13人』をやっているときに、長澤まさみさんにナレーションをやってもらったんですけど、そのときに何度か長澤さんとお会いすることがあって。彼女とは10年前に一緒に舞台をやってから、本当に力のある女優さんだなと思っていた」と明かし「どんどんスキルを上げてこられて。この人のために映画を作りたいな、この人が一番今の段階で輝いているそんな映画ができないだろうかと思ったところが出発点です」と語った。
長澤は三谷の言葉に「恐れ多いです」と恐縮しつつ「10年前に、三谷さんの舞台に出演させていただいたときに『もっともっと一緒にお仕事したいな』って物足りなさを感じていたので、今回こういうふうに作品に出演することができてうれしかったなという気持ちです」とニッコリ。自身が演じたスオミについては「本当に難しくて。一人の女性が違う顔を持ち合わせている、多面的な部分があって。人によって印象が違う役柄」と説明し「どういうふうにキャラクター作りをすればいいんだろうって思いながら、毎日監督にいろんなヒントをもらいながら演じていました」と口にした。
その上で長澤は「今、みなさんのお話を聞いていて、ものすごくみなさん独特な魅力を持たれた方々で。こういう方々と向き合えているだけで、きっと違う自分が生まれていたんだろうなって改めて気づいたような気がします」としみじみ。そのようなところがスオミの本質的な部分だと思うと話し「対する相手によって自分というものが作られんだな、って感じた次第です」と振り返った。
◆取材・文＝山田果奈映