「変わらないこと」は悪いことなのだろうか? 「君はいつまでたっても進歩しないね…」「あんた全然変わらへんなあ」などと、変わらないということに関して若干否定的に捉えられがちな風潮にあるのだが、変わらないからこその安心感もあると思う。
例えば1年ぶりに実家に帰り、何も変わらない街並みを見てホッとするとか、大みそかに聴く石川さゆりの歌とか、お正月の青山学院大学とか、男女入れ替わりものの映画とか、変える必要のないものは無理に変えなくてもいいのだ。
なぜいきなりそんな話をしているのかというと、これまで連ドラでパート3、スペシャルで2本放送され、しかもほぼ不動のメンバーによって展開してきたあのドラマが復活するから!
各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。
今回は、“変わらない主要キャスト”で不変の面白さを誇る、1月4日(木)放送の「DOCTORS~最強の名医~新春スペシャル」(テレビ朝日系)を取り上げる。
同ドラマは、普段は患者に笑顔で優しく接するが、自分が信じる医療のためなら目的・手段を選ばない非情な一面も持ち合わせているスゴ腕外科医・相良浩介(沢村一樹)と、高嶋政伸演じる“腕は確かだが人間性にやや問題アリ”な外科医・森山卓が対立しながらも、患者を救う医療のために尽力していく物語。
いよいよ松坂慶子演じる卓ちゃんのママが姿を現し、松坂と高嶋が繰り広げる「ママと卓ちゃんの日常」も展開される。また、今作は野際陽子さんが亡くなってから初めてとなる「DOCTORS」。スタッフもキャストも意気込み十分で、「このドラマが続く限り、作品の中では野際さんが生き続けている」と心を一つにしているという。
間もなく創立100周年を迎える堂上総合病院。長きにわたり院長を務めた堂上たまき(野際さん)は再び現役の医師として患者を看るため、幸せの国・ブータンに診療所の開業を決意する。その跡を継ぎ、森山卓(高嶋)が院長に就任していた。
診療所開業の手伝いでブータンに行っていた相良浩介(沢村)が帰国すると、堂上総合病院は森山“新”院長と、彼が連れてきたうさん臭い経営コンサルタント・猿渡圭介(手塚とおる)の手により、大混乱に陥っていた。
関東病院長会の会合で伴財日出彦(石橋蓮司)ら他病院の院長からバカにされ、何とか見返してやろうと躍起になる森山は、スタッフたちの声にも耳を貸さず、おかしな方向へと暴走しようとしていた…。
その頃、堂上総合病院に折原克也(粟島瑞丸)・聡美(安藤聡海)夫妻とその娘・美都(鈴木梨央)が、相良を訪ねてやってくる。先天性胆道閉鎖症を患う美都は、生体肝移植手術を必要としており、その手術を相良に頼みたいという。
帝楼会病院からの転院による手術ということもあり、院長の森山の了承を得ようとしたところ、帝楼会病院院長が伴財であるという理由からその手術を断るよう命じられる。その一件が猿渡の入れ知恵だと知った相良は、ある策を巡らし…。
時を同じくして森山の母・日美子(松坂)が腹痛を訴え、堂上総合病院に搬送されてくる。日美子の主治医になった森山だったが、病院スタッフが見ている前で自身のマザコンぶりがたびたび露呈してしまい、慌てる。
そんな中、森山に“ライブオペ”を披露する機会が到来。腹腔鏡オペのスペシャリストとして名高い森山の手術を世界に配信すれば、堂上総合病院の評判も上がるのではないかと考えたのだ。
潰瘍性大腸炎に対する“ライブオペ”の当日、準備が着々と進む中、日美子の容態が急変し、緊急手術の必要性が浮上。日美子は「卓ちゃんの手術でなければ受けない」と言い張り、ライブオペを控えた森山は窮地に立たされることに…というストーリーだ。
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