いやはや新年早々やってくれました福田靖さん! ツッコミどころ満載だけどあえてツッコむことすらも野暮なくらい、細かいせりふの言い回しや微妙な表情の変化まで、面白過ぎる。
最初に気になったポイントは、卓ちゃん(高嶋)のお弁当事件。サイズ感的には小さめな筆者が言うのもあれだが、卓ちゃん小っちゃ過ぎっす…。末席に唐揚げ弁当でキレるって、お子ちゃまか! むしろ唐揚げ弁当の方がいいでしょ? 卓ちゃんは脂っこい店屋物が好きなんだから、って思ったり思わなかったり。
そして、不変の堂上総合病院に現れた“変化”。手塚とおる演じる猿渡なるコンサルタントだ。このいかにもな怪しげな風貌の彼が提案してきたニッチな外来。くしゃみ外来とか、堂上温泉病院とか、誰がどう見てもふざけ過ぎなのに、全部受け入れちゃう卓ちゃん。
ピュアというか、バ…、純粋というか、ば…、素直というか、馬…カット! 自粛。でも、彼はそこがある意味魅力なのかも。基本的に自分の信じる人への思いは全くブレていないし。
そんな卓ちゃんがますます生き生きとしているように見えるのが、今回から登場の松坂演じる卓ちゃんママとのやりとりだ。いやはや驚いた。今までもいましたっけ?ってくらい全く違和感ない! あたかもずっとそこにいたかのような卓ちゃんママの安心感。声のトーンが絶妙だなぁ。
ホント、やんちゃ坊主をたしなめるお母さんという感じがピッタリ過ぎる。うちのママのことを思い出しちゃうぜ。あ、母さんのこと。
あらためて卓ちゃんとたまきおばさん(野際さん)との3人でのシーンも見たかった。
そんなやんちゃ坊主な卓ちゃんを見守ってきた男といえば、事務長だ。これまた悪がきをたしなめる見事な温度感でのツッコミ&フォローが絶妙。あきれ気味だけど怒り過ぎず、怒った後は温かく見守る。卓ちゃんにとってはパパというか、おじいさんのような感じか?
それに卓ちゃんが他人の前で「ママ」って言っちゃった後のばつの悪い表情と、「母さん」と言い直す感じ、相良と対峙(たいじ)しているシーンの表情。「んんんっ」のクオリティー、チーム森山の分かりやすさ、この方々もずっと固定のメンバーというのもあって、息ぴったりだ。やっぱり人間はそんなに簡単には変わらないんだな。
って、ここまで長いこと卓ちゃん劇場について触れてきたが、あくまで主役は相良ですから! そこんとこよろしく。
ブータンから帰国した相良はといえば、相変わらずカリスマ的な処世術を見せてくれる。患者にはいつだって優しく柔和な笑みを浮かべているのに、卓ちゃん相手だともはや猛獣使いのそれ。理不尽な“上司”を相手に自分の意志を押し通すすべは見習うべき点が多々ある。
そして、何より怒らせたらめちゃくちゃ怖い。「本当に腹黒いのは相良」と沢村も先日のインタビューで言っていたが、まさにその通りなのだろうな。すべてが手のひらの上で計算されていそうで、絶対に敵に回したくない人だとあらためて思った。
あとは、佐知(比嘉愛未)のかわい過ぎるダンス?と相良と相対したときの乙女な目、それに対して「いけずぅ~!」って言いたくなるくらいのあしらい方をする相良との不変の関係性、そろそろイチャイチャする2人を描いてくれてもいいじゃんって思うのだが、その不変の距離感もまたいいのかも。
やはり、変わらないからこそいい!ということはあるのだろう。
その他、今回登場組では“天才子役”というフレーズを軽々しく口にしたくはないから、あえて雑な言葉で褒めると、まじで半端ねえ鈴木梨央の演技力。
眉間のしわだけで気分を表す競技があれば、恐らくU-18日本代表くらいにはなれるだろうし、“怪しげなコンサルタント”なら当て書きでいけそうな手塚、業界のドンを演じさせたら国内で五指に入る石橋…。そんなキャストの相乗効果も相まって、まさにテレビ朝日からのお年玉のようなドラマや!
そう、お正月に変わらないことといえばお年玉もありますね。記事も書いたし、そろそろママにお年玉もらいに行こっ。
…あ、母さんに。
文=人見知りシャイボーイ
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)