ナイツが料理番組のMCに初挑戦!時代劇専門チャンネルが10月から立ち上げたオトナのための教養バラエティ枠「Edoテレ」の看板番組としてスタートする「ナイツの素人包丁」で、塙宣之が江戸時代のレシピを料理で再現、土屋伸之はツッコミ&教養情報を担当。初回収録を終えた2人がインタビューに答えた。
塙「コンビを組んで18年かかりましたが、料理番組をやるのが夢でしたので、自分の中では最短のルートで来られたんじゃないでしょうか」
土屋「いや、最短じゃないでしょ。最短だったらもっとやることあったでしょ?僕は塙さんの料理の腕前っていうのはよく分からなかったんですが、一人暮らしをしていた時に、スパゲッティとか、家でごちそうになった記憶がありますが。今日あらためてやってみて、こんなにできないんだ!と(笑)。魚のおろし方とか、ヒドかったですね」
塙「料理はハートですからね。僕は包丁を使わない料理を得意としていたんで(笑)」
番組では、1800年代序盤の江戸時代で刊行された家庭料理の献立全集『素人包丁』に記されたレシピを、ミシュラン1つ星を獲得した東京・神楽坂にある「割烹 神楽坂くろす」の黒須浩之氏に教わりながら再現していく。初回は『イワシのカピタン漬け』『蟹鍋煮』にチャレンジした。
塙「魚にあんなにウロコがあるんだな、と。目からウロコでした。ギョギョギョギョギョ!」
土屋「はいはい、ありがとうございます」
塙「料理はね、好きなんですよ。見るのが。ま、やるのは初めてなんですが。本当は先生の料理を横で見ていたいんです。上沼恵美子さんの〝おしゃべりクッキング〟のイメージでね、あぁいうのやりたいなって思っていて。そういうふうになれたのがうれしいです。やっぱり料理って、できるようになりたいじゃないですか。うまくなるんじゃないかと思いましたね」
土屋「そうなるといいですね。僕は実は塙さんとは逆に、最近ちょっとやり始めているんですよ。カミさんの誕生日ケーキを作ったりとか。子供の教育のためにと、一緒にやってるんですが。たまには逆にして、塙さんがツッコミをやって、僕が料理をするとか、やってみてもいいかもしれませんね」
塙「やっぱり2人とも素人ですからね」
土屋「江戸時代の食の再現といっても、やってみてそんなに難しいものでもないでしょ?」
塙「昔って、お酢やしょう油もないと思ってたので、そういう調味料を一から作るのは大変かと思っていましたけど、結構あったらしいんですよね。だから鍋で煮るだけ、とかなので、意外に誰でもできるんだなと思って」
土屋「やってみたら割と普通の料理番組でしたね。普通に、火もあるし、火鉢とかでやるわけじゃないですもんね。だからむしろ、意外にちゃんとおいしい料理を作るっていうことになってますもんね。これを見てご家庭で再現できるようになっているってことですね?」
塙「そういうことです!味は本当に、江戸時代と同じになっているらしいですからね。食べましたが、非常においしかったですよ。第1回の『イワシのカピタン漬け』と『蟹鍋煮』は簡単ですし、皆さんにもぜひ作っていただきたいですね」
まだまだしゃべり足りない2人に、好きな料理や番組の面白さについてさらに直撃!
料理番組のMCをすることによって、食レポの腕が上がるかもしれませんよね?
塙「それは本当にありますね、食レポは一番不得意なんですよ。全く分からなくて。でもこの番組で作る工程を見ると、かなりうまくなりそうな気がしますね。次に南蛮漬けを食べる時は『あれは小麦粉の揚げ方が難しいんですよね』なんて言えば、『おっ』となるじゃないですか。南蛮漬けとカニに関してはもう僕、めちゃくちゃうまいっすよ!」
土屋「それ限定?(笑)でも、今日の試食の時、別にコメント普通でしたよね!」
時代劇などで見られる江戸時代の料理で、お2人が食べてみたいと思うものは?
塙「お殿様が食べていたようなヤツとか食べてみたいですね。初めてのラーメンといわれるヤツとかね」
土屋「あ、黄門様が初めて食べたといわれているやつね」
塙「そう、あれなんか『どういう味だったのかな?』って思いますよね。ちょっと食べてみたい」
土屋「時代背景とかを勉強したことがないので分からないですが、僕はすき焼きが好きなんですよ。すき焼きは江戸時代にあったのかな?もし最初のすき焼きとかがあったら食べてみたいですね」
塙「うーん、もしかしたら、一部の人は食べていたのかもしれませんね。そういうのを調べるのは面白いですね。料理もそうなんですが、当時の食文化を勉強するっていうのも番組のウリの1つですよね。そういうのを調べるとしたら、3通りあるんですよ。どれがいいかは記者さんにお任せしますけれど、ヤホー、ゴーグル、(両脇をパタパタさせながら)ワキペディア!ってね」
土屋「ワキペディアの動き、それどうやって書きゃいいのよ!」
塙「ま、じゃ今日はゴーグルにしといてください」
この番組は料理に興味ある方だけでなく、お笑い好きの方も楽しめますよね?
塙「オープニングに漫才をやるので、そこは見ていただきたいですね。寝ないで、ファミレスで朝まで考えて、この漫才に命を懸けていますから!毎回テーマが違うんですよ。もし今、M-1に出られるなら、このネタで出たかったです!」
土屋「それくらい仕上がってるってことですね。あとは、料理中に塙さんがボケるんですけど、僕がツッコむ前に、黒須先生がめちゃくちゃバッサリとツッコむ。『しません、そんなこと』と、一刀両断する時がありますんで、そこはお笑い好きの方々は楽しみにしていてください」
塙「あとは、野呂(佳代)ちゃんのコーナーね。野呂ちゃんの空気感はなかなかすごいですよ。天龍源一郎さんの食レポコーナーもあるし、出ていただけるだけでもありがたいですね。この後もどんどん、ノドがつぶれた滑舌の悪いプロレスラーさんが続いてくれるんじゃないかと」
土屋「いや"滑舌が悪い枠"で続けていくもんじゃないでしょう!(笑) 毎週いろんな格闘家が出るの?そういうコーナーじゃないでしょ!」
塙「天龍さんは元力士だったし、相撲部屋のちゃんこ紹介なんかいいんじゃないですかね。ま、長寿番組にしていきたいと思っていますので、とりあえずはシーズン1、一生懸命がんばって全12話をやり切りますんで!」
土屋「それ決まってないでしょまだ。シーズン1とかないし。ドラマ『孤独のグルメ』じゃないし」
塙「いや、僕、体持たないでしょ。『24(トゥエンティー・フォー)』みたいにしてくれないと。一応僕の中では、2年くらい空けて"待望のシーズン2!"ってことにして」
土屋「区切るような内容じゃないでしょ!ずーっとやってりゃいいんじゃないの?」
塙「で、1回何か組織に捕まって、料理を一切できない体にさせられて、って。そういう番組にしたいですね」
土屋「僕が思っていた展望とはだいぶ違いますね」
塙「ジャック・バウアーみたいになりたいんですよ、この番組で」
土屋「最終的にジャック・バウアー?」
塙「海外から買っていただきたいですよ、この番組を。海外の方は意外に、日本食に興味がありますから」
土屋「なるほど!」
塙「だから、もう見えますね。海外で大ヒットして、リメイクして。アレされちゃうと思うな(目を閉じる)」
土屋「僕は、この番組をきっかけに"浅草のナイツ"から"料理のナイツ"に変わるくらいの、代表的な番組にしていきたいと思います!」
塙「え、今"浅草のナイツ"なんて言われてるんですか!?」
土屋「知らなかったのかい!」
文=magbug 撮影=カノウリョウマ