椿鬼奴が語る松本人志と「MHK」の裏側!
'10年10月にパイロット版が放送され、翌'11年11月から'12年3月にかけ、全5回にわたってシリーズとして放送された「松本人志のコントMHK」がDVD化され、現在発売中だ。
松本にとって10年ぶりのコント披露の場となった同作は、企画・作・構成の全てを自身が手掛けた力作として、放送当時も大きな話題となった。満を持してリリースされた今回のDVDには、放送された全てのコントとメーキングなどの特典映像が収録されている。前回、コント「名探偵 三河安城シリーズ『ゴリ神家の一族』」に出演したまちゃまちゃのインタビューに引き続き、コント「博士と助手」と「ヒーロー戦隊」に出演していた同じく女性芸人の椿鬼奴に当時の思い出を語ってもらった。
――放送は今からおよそ3年前ですが、当時の思い出を教えてください。
「う~ん。かなり前なので特に覚えていないんですよね。参加できると聞いたとき、どういうものになるのかな?とは思ったんですが、本当に何をするか分からなくって…。まったく見えずに現場に行った記憶はあります。コント番組に出たことないんで初めての経験でしたが、子どものころからダウンタウンさんが出演されていた『夢で逢えたら』('88~'91年フジ系)などを見ていたので、コントに参加できるうれしさはありました」
――鬼奴さんが出演されたコント「博士と助手」では、松本人志さんと千原ジュニアさんと一緒にお酒を飲みながらコントをされていますね。
「そうなんです。これが本当に謎で(笑)。撮影に入る前に松本さんにごあいさつに行ったんですが『もう飲んでてえぇくらいやで』と言われて。『えっ!!』とすごく驚きましたね。本気だと感じて(笑)。私、普段飲んでもすぐには酔わないタイプなので、言われてすぐ飲み始めました。そしたら意外とベロベロになっちゃいましたね」
――映像からだとそうは見えませんね(笑)
「実はあんまり記憶がなかったです。もうかなり出来上がっていたんですよ。まぁ、普段飲まないワインを入れたりして、本番もビールとワインの両方を飲んでいたりと、無茶苦茶していました。…今考えるとかなり実験的なコントですよね。役名だけはあったのですが、設定も特になかった記憶があります。何を目的にやっているのかもよく分からないまま始まり、酔っぱらって終わっていったという…。台本もないし、不思議ですよね。酔っぱらっていく様を多くの人に見られるというのも初めてでしたし。タイトルは『松本人志のコント』ですが、これはコントではない!小道具を使っていますけど、ほぼドキュメンタリーですよ」
――実際に出来上がったコントはご覧になりましたか?
「怖くて見てもいないですね。失言していたら嫌なんで。だからこのDVDで約3年ぶりに確認できるという感じです」
――コントでは、松本さんとジュニアさんと楽しそうに飲まれていましたが、これまで一緒に飲みに行ったことはありますか?
「松本さんとは番組の打ち上げとかで大人数というのはありますけど、プライベートはないですね。ジュニアさんは昔“女芸人会”という飲み会に来ていただいたりしたことはありますが、まぁ、あそこまでガッツリ飲むということは初めてでしたよ」
――そんな「博士と助手」は当時放送されたバージョンだけではなく、未公開映像としてロングバージョンも収録されてますね。
「心配~。30分もかけて酔っていく姿が見られてしまうなんて。本当に恥ずかしいなぁ~。唯一決まっていた役名も途中から忘れていっていますし…。でも、改めて見るとみんな楽しそうですよね。特に松本さんが楽しそう。酔うとかわいくなっていくんですね。幸せな飲み会ですよ。私はどこかしら先輩と飲んでいる雰囲気がないですね。ちょっと態度が嫌ですよ(笑)」
――この「博士と助手」以外にも、板尾創路さん、東野幸治さん、木村祐一さん、友近さん、小籔千豊さんらが出演しているコント「ヒーロー戦隊」にも参加していますね。こちらは覚えていらっしゃいますか?
「これはほぼワンシーンのみの参加なんですよ。確か、皆さんと一緒の現場だったとは思うのですが、いかんせん3年も前のことで…。私はメークにそれなりの時間がかかったんですが、撮ったらあっという間だった記憶がありますね。あと、現場に人がいっぱいいた!! 普通の番組というより“映画”のようでした。“松本さんの現場に携わりたい!!”や“現場を見たい!!”と思う方も多かったんじゃないですかね」
――鬼奴さんが参加されたコント以外にも、約10年ぶりにダウンタウンがコンビでそろったコントなど、豪華キャストが参加したコントがいっぱいありますね。放送当時はご覧になっていましたか?
「自分の以外は見ていましたね。特に印象的だったのはコント『メイの冒険』ですね。同期のチャド(・マレーン)が英語と訳をやっていて、スゴイなぁ~と思いました。この作品は唯一の連続作だった記憶が…。本放送のときは、次を見たいと思っても1月かかっていたのが、まとめて見られるのがいいですね。あと、浜田さんが参加したコント『オンリー』も覚えていますね。これもある意味コントじゃないというか。アドリブに見える面白さがありますね。いろんなジャンルのコントが見えられて楽しいですね」
――最後に鬼奴さんなりのこのDVDの見方を教えてください!!
「何も考えずに見るといいですね。それこそ『夢で逢えたら』を見ていたときは、受験シーズンということもあり、こっそり見ていたんですよ。1人でテレビの前に陣取って。そういう見方がコントに合っている気がします。周りの笑い声にも気にせず、ひっそり一人で楽しむのが一番!できれば14インチのテレビが最高ですね。見どころポイントとしては“みんなちょっと若い!”というのを、しみじみと感じ取っていただければ。本当にちょっとですが…。あと、私の出ているコントは、できれば飲みながら見ていただきたいですね。フェアじゃないんで。ほろ酔いになりながらも楽しめるDVDだと思いますよ」
発売中
定価:初回限定版(「動く時計」ジャケット仕様」)4800円、通常版(「動かない時計」ジャケット仕様)4800円(共に税抜)
発行:NHKエンタープライズ
発売・販売:よしもとアール・アンド・シー