「クリエイターズ・ファイル」#69 レンタルなんもしないクリエイター ナグモ・トモ
バストアップの画角のインパクトが大事です
──オンライン会議で気をつけることは何ですか?
ナグモ氏「コロナ禍でオンラインミーティングって増えてますけど、画面に露骨に顔が出るのでバストアップの画角のインパクトが大事です。やっぱ、ただひょろひょろして服が地味でベーシック顔面なやつって爆発力に欠けるっていうか、クリエイターに見えないんですよね。ひょろひょろ感が逆にクリエイティブ感につながるやつならまだしも。僕は着るものとか髪形とか髭とか小物使いなど、リモート画面で目立つようになってんじゃないですかね。元々服が好きなんですけどね。けど、不思議なもんで、僕みたいなのが一人交ざるとチーム根こそぎ最新鋭の武闘派のクリエイティブ集団に見えてくるらしくて」
──本当に意見することは全くないのですか?
ナグモ氏「そうっすね。いつも会議では何の話をしているか一切分からないです。でもそれを悟られずものすごいアイデアを持っているんじゃないかと思わせるテクニックは持っています」
──どんなテクニックですか?
ナグモ氏「基本はある程度悩んでいる顔で進行します。その流れで一回あえてテーマを否定して僕が引き取るんです。『んー、どうなの、それは? いや、これは今言うタイミングではないと思うんだけど……一回シンプルに戻してみない』的なことをぶっこむんです。さらに、『ん? あー、この流れで言うことじゃないのかなー、うーーーん、あ、大丈夫。止めてごめんなさい。続けちゃって』と言いますね。そうすると、『あいつ……とんでもない意見持ってるかも』ってなるんです。まあ、実際は何も考えていないんですけど(笑)。要はリアリティーを出すために、リスクを背負って自分から全くわけの分からない議題に入っていくことが大事ですね」
──レンタル彼女、レンタルおっさん、レンタルなんもしない人などが話題になりましたが、意識はされていますか?
ナグモ氏「それ系、あんまし分かんないっすね」
──新社会人を迎える方にメッセージをお願いします。
ナグモ氏「昔から僕は『お前は雰囲気だけだな』とか『言うことがスカスカだな』って言われてたんですが、今はその雰囲気で生活できています。正直、それ以上でもそれ以下でもないです、はい。適当にがんばってください」