「テレビを面白くするには3つの“ない”が大事」王東順プロデューサーインタビュー
テレビ界に多大な功績を残したトップクリエーターたちが独自のテレビ論を披露する、週刊ザテレビジョン創刊35周年記念インタビュー連載「テレビの開拓者たち」の第5回に、「なるほど!ザ・ワールド」('81~'96年フジテレビ系)をはじめ、人気バラエティーを多数生み出したプロデューサー・王東順氏が登場。
誰よりも面白いものを追い求めることは、すなわち“考え続けること”だと言う王氏。
「考え続けることで、ふとした瞬間にひらめきが降りてきたり、昔の記憶がよみがえったりして、アイデアが浮かぶんです。例えば『クイズ・ドレミファドン!』('76~'88年フジテレビ系)。あの番組を立ち上げたとき、最初の半年間は思うようにいかず、視聴率も上がらなかった。特に『イントロクイズ』は、企画の面白さは自負していたんですが、なぜかしっくり来なくて。でも、ずっと考えているうちに、ある日、小倉百人一首の大会のイメージがぱっと浮かんできた。あの独特の間や空気感が『イントロクイズ』に合うんじゃないかと。それをきっかけに、やがて『イントロクイズ』ならではのテンポが出来上がり、3カ月後には日曜昼の放送にもかかわらず20%超の視聴率を記録することができたんです」
そんな“考える人”の目には、人々のテレビ離れが叫ばれている現在の状況は一体どのように映っているのだろう。
「どの番組も箱庭的というか、出演者も同じような顔触れがグルグル回ってる感じで。作る側も出る側も冒険してませんよね。私は『これまでにない』『他にない』『見たことない』の3つの“ない”を追い求めていけば、テレビはもっと面白くなると思っていて。これからも、いい意味で期待を裏切る、視聴者のド肝を抜くような番組を作ってほしいですね」
WEBサイト「ザテレビジョン」では、王氏のほか、「テレビの開拓者たち」に登場したクリエーターたちの完全版ロングインタビューを近日公開予定。乞うご期待!