“イケメン”と話題の精神科医が、コロナ禍で起こる「心の不調」のサイン&対策を伝授!<世界一受けたい授業>
一番簡単なのは「不安を書き出す」こと
ーー前回、番組に出演された際は、毎朝鏡にむかって自分を褒めるとストレスが軽減すると教えて頂きましたが、ほかにも自分自身でできるストレスケアがあれば教えて頂けないでしょうか?
色々ありますが一番簡単なのは、「いま自分は何が不安か?」「何がしんどいのか?」書き出してみることです。よくカウンセラーさんがやりますけれども、何が実際に不安なのか具体的に書き出して整理すると、不安に思っていることにどんな対策をする必要があるのか見えてくる。
ひとに話すことも結局、話すことで整理ができるわけですね。あとは必要以上に怖がっていないかとか客観的に見ることもできます。実はそんなに不安のことは数多くなかったりします。
あとはイライラしていることも書いてみると、大体書いている間に落ち着いてきたりスッキリしてしまう。誰かに見られると思うと、書くことすら本音で書けない人がいますが、書いた後に破り捨てるつもりで書けば大丈夫です。
結局、昔から言われているのは王様の耳はロバの耳と一緒で、不安はどこかに出してしまうこと。誰にでも簡単にできることです。日記を普段から書いている人は割とそういうことを無意識にやっている方もいますね。
ーーそもそも、藤野先生が精神科医を志したきっかけは何だったのでしょうか?
精神科医を志したきっかけは犯罪心理に関心があったからです。裁判において精神鑑定を行う場面があるのですが、なぜこの人は殺人を犯したのか?責任能力があるのかないのか?鑑定が一審と二審で判定が割れたりして、なぜこの人が無罪になったんだろう?とすごく気になっていたんです。
判断が偏っていたり、鑑定は本当に正しかったのか?そこはブラックボックスの世界。精神鑑定は「きちんとやる」と決めた人がやらないとよくないのではないかと思い、医療刑務所で週に一日、受刑者で精神医療が必要な方たちを診療したりもしています。
あともうひとつの理由は、もっと気軽に精神科を受診できるようになってほしいということ。今日のような活動(番組出演)もそうですが、より多くの人に届くように本の執筆なども行っています。
精神病院を建てることになると、反対運動が起きたりしますよね。やっぱりまだ根強い偏見があるんです。鬱なんかは、最近「心の風邪」って言われますけど、本当に誰でもなりうる病気なんですよね。そういうことをもっと知られるべきだと思っています。