テレビ番組に精通するライターの前川ヤスタカが、地方番組に注目し、レビューしていく。今回は宮城県の仙台放送で放送されている「仙台市青葉区 かのおが便利軒」(毎週日曜 昼0:55〜1:25)を取り上げる。
私は地上波民放テレビが4局しかない地方で育った。都道府県によっては民放が2局のところもあるのだから贅沢だと言われればその通りなのだが、テレビ東京系列の番組は放送されないか、されてもわけのわからない深夜とかだったので、浅草橋ヤング用品店だTVチャンピオンだと言われてもなんのことやらという感じであった。
しかし、良い時代になったものだ。今は日本全国どこにいても、TVerで東京キー局の番組はほとんどタイムラグなく見ることができる。そのうえ(番組にもよるが)1週間以上見逃し配信もされている。「笑っていいとも!」が夕方に放送され「お昼やーすみはウキウキウォッチング~」と歌われてもしらけるばかりだった地方の人も、まったく負い目を感じる必要はなくなった。ビバTVer!
さて、このようにTVerで事実上のエリアフリーが実現すると、メリットを受けるのは地方在住者ばかりかというとそうではない。逆に首都圏にお住まいの皆さんも、地方の番組がタイムラグなく見られるようになっている。
かつて関西出身者が、実家からわざわざ「探偵!ナイトスクープ」の録画ビデオを送ってもらったりしていた時代があったが、もうそんなことはしなくていいのだ。お気づきかと思うが「あるある」がいちいち古い。そう、私は「ザテレビジョン」の表紙でMr.マリックがレモンを持たずに空中浮遊させていた号をリアルタイムで買っていたような世代。ハンドパワーです。
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