話を戻して、試しにTVerでバラエティ番組のカテゴリを見てみると、170〜180番組あるうち、ざっくり3分の1くらいは地方局の番組である。
千鳥の「相席食堂」のようにTVerなど動画配信サービスのおかげで地方番組ながら大ブレイクし、キー局ゴールデンで特番まで組まれた番組もあれば、地元のアナウンサーが地域の観光・グルメ情報を淡々と伝えるような地元密着の番組もある。
今後もそういったTVerで見られる地方の番組の中から、面白そうなものをピックアップして、その魅力を語っていこうと考えている。
で、今回取り上げるのは、宮城県の仙台放送で毎週日曜昼に放送されている「仙台市青葉区 かのおが便利軒」。タイトル「かのおが」の「かの」は狩野英孝、「おが」はパンサーの尾形貴弘を指し、地元宮城県出身の両名によるバラエティ番組である。2018年の番組開始から現在まで続いている人気番組だ。
2018年といえば、狩野も尾形もなんだかんだあって好感度が落ちていた時期である。この番組も当初ナレーションで「いろいろ好感度の低いこの二人、地元愛され芸人を目指し便利屋を始めました!」と毎回言っていたように(現在は言わなくなっている)、二人の好感度を上げるため視聴者からの依頼に基づき人助けをするのがコンセプト。
「かのおが便利軒」という架空の便利屋を立ち上げたという設定のため、パンサー尾形は「尾形社長」と呼ばれている。これが地方番組っぽくてとても良い。北海道STVの「ブギウギ専務」における上杉専務など、この手の役職設定は地方番組では多く採用されている。
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