テレビ朝日系で4月3日(月)から放送されるドラマ「やすらぎの郷」(毎週月~金曜昼0:30-0:50)の制作発表記者会見が行われ、脚本を務める倉本聰氏、主演の石坂浩二、浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、草刈民代、五月みどり、常盤貴子、名高達男、藤竜也、風吹ジュン、松岡茉優、ミッキー・カーチス、八千草薫、山本圭の総勢15人が登壇した。
同ドラマは、脚本家・倉本氏とテレビ朝日がタッグを組み、月曜から金曜までの平日の昼に放送枠を新設した帯ドラマ劇場第一弾。
倉本氏は「今、僕の周囲は高齢者ばかりで、朝5時半から6時には起きてしまうという。その後、テレビを見ても情報番組ばかりでやることがないというんです。どうして老人が見られるドラマがないのか、ゴールデンに対抗して“シルバータイム”というものができないかと思い、今回の企画を立てました。若者向けになってしまったテレビに“シルバー革命”を起こせたらいいなと考えております」と思いを語った。
劇中で、国民的ドラマを何本も生み出したシナリオライター・菊村栄を演じる石坂は「私が演じる脚本家の役は、おそらくどなたも倉本先生ご自身のことだと思うでしょうが、全然違います(笑)。見かけは若いのですが年齢を重ねていますので、老骨に鞭を打って日々頑張っているところでございます」と明かした。
続いて浅丘は「毎日、脚本を覚えることに追われて大変でございますが、皆さんと楽しく撮影をしております」とせりふを覚えることに苦労していることを明かすと、ミッキー・カーチスも「せりふが面倒くさそう! なんて思いつつ、読み始めたらとても面白い」と笑顔を見せる。
八千草も「膨大なせりふと長いシーンで緊張が続く日もあります。スタミナとの戦い(笑)」と告白すると、それを聞いた石坂はたまらず「皆さん、苦しいとおっしゃいますが、本当は私が一番苦しい!」と訴える場面も。すると、寡黙な元任侠スター・高井秀次を演じる藤が、「時々『うー』とか『あー』とか言うだけで、せりふが少なくてうれしい。本当に楽しい!」と会場を笑わせた。
石坂、浅岡、有馬らはテレビ人専用の老人ホーム「やすらぎの郷 La Strada」の入居者を演じる。一方、草刈や常盤、松岡らは個性的な入居者を迎える側、風吹は一足先に人生を終えてしまった栄の妻を演じる。
草刈は「年を重ねていくということはこういうことなのかなと身につまされたり、こういうドラマに参加しなければ気が付かないような“思いやりの気持ち”に触れたり…。倉本先生の脚本から日々学ばせていただいています」と語る。
常盤は「この会見の幕が開いたとき、すでに『うるっ』としてしまったくらい、今ここにいるのが幸せでたまらないです。こんなに素晴らしい先輩方とご一緒できる機会を得られて、『今までずっとお仕事を頑張ってきてよかったな。すごいご褒美をいただいたな』と思っています」と喜んだ。
また、常盤は「このドラマが少しでも長く続いてほしいと切に願っておりますので、倉本先生にはぜひ続編も作っていただきたいです(笑)」と続編をおねだりしていた。
松岡は「オファーをいただいたときも、ここに立っている今も足がすくむ思いです。皆さまにかなわないことは目に見えているのだから、若手俳優がたくさんいる中で私がここに居させていただいている意味を考えながら、22歳というフレッシュなパワーでやりたいと思っています。まだ撮影は続きます。これからもよろしくお願いします」と共演者らに頭を下げた。
風吹「楽しく演じさせていただいているのですが、先に天国に行ってしまっている役なので皆さんと絡むことが少なく、石坂さんとほとんど一緒に過ごさせていただいています。1週間分のドラマを先に拝見しましたが、きっと見ている人をワクワクドキドキさせるのではないかと楽しみにしております。私も最後までどんな形で出てくるのか、楽しみにしていただければと思います」とドラマの魅力をアピールした。
今回の作品は、役を演じる俳優をあらかじめ決めてから脚本を書き、倉本氏が得意とする“当て書き”スタイルが取られているという。
倉本氏は「ここにいらっしゃる出演者の大半とは古い付き合いで、欠点も弱みもほとんどつかんでおりますので(笑)、そこをくすぐってあげると非常に面白いものになるんじゃないかな、と楽しみながら書かせていただきました」と執筆を振り返った。
脚本の中には、実生活で元夫婦だった石坂と浅丘の抱擁シーンも劇中に登場。浅丘は「菊村栄と白川冴子は20年ぶりに会ったわけですが、実際に私自身と石坂さんは16年ぶりにお会いしました。その両方の思いを込めて長いこと抱き合わせていただきました」と笑顔を見せた。
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