現場は大沢いわく「壮絶というか…あんなにきついドラマは僕、やったことがなかったですね」というほどの状況。江戸時代に見える風景をつないでいくため、たった1カットのために群馬や静岡、さらにその日のうちに栃木へ、と一切妥協をしないロケーションスケジュールが組まれた。
そして、放送された「JIN―」は最高視聴率26%超をたたき出す大ヒットドラマに。「限界点を越えれば、何かお客さんに伝わるのかなと思いましたね。手を抜いたら一瞬でみんな見なくなりますね。それで終わりですね、ドラマは」。大沢にとってそれは、再びドラマに可能性を感じる経験となった。
3カ月、一切の情報を遮断し“孤独”を体感
たった一人で江戸時代にタイムスリップしてしまう仁の“レベルの違う寂しさ”を理解するため、大沢は限界に挑戦するかのような役作りを行っていた。それは、携帯電話も持たず、インターネットも開かず、3カ月間イギリスでアパートを借りて暮らし、まったくの孤独に身を置く、というもの。
「今は情報をネットで拾えちゃうから、孤独じゃないんですよね。それがダメなんですよね」と大沢。林先生が「帰ろうと思わなかったんですか?」と尋ねると、「(帰りたいと)思ったんですよね。それが良かったんです。感覚的に、ちょっと光が見えたんですよね。『戻りたいんだな』っていう感覚ですかね」と打ち明けた。
まったくの孤独の中で人が感じる“戻りたい”という感情。それを南方も感じたはずだと思えたことが、“江戸時代にタイムスリップした外科医”というキャラクターの心情を理解する糸口になったという。
毎週日曜夜10:00-10:54
MBS/TBS系で放送
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