“心をすっぴん”にして届けたかった復帰ライブ
――8月9日のワンマンライブ。鞘師さんがどう携わって、どんな意見を出して作り上げたのかを教えていただけますか?
曲順もそうですし、振り付けを考えたり、バンドセットでやりたいというのも私から提案したことです。復帰後初ライブなので、なるべく素の私というか、心をすっぴんにしてお届けしたいという気持ちがあって、それにはシンプルなバンドセットがいいと思ったんです。派手な演出も楽しいとは思いますけど、それはまたいつか。今回は“私”を届けることにこだわって、シンプルに削ぎ落す方向で考えました。
バンドセットってオケよりも柔軟性があって、もう本番まで日がないという時期でも、イントロを伸ばすとか、間奏を伸ばすとか、そういう調整が可能なんですよ。それは演出の考えにもつながって、ここでもう少し踊るパートを増やしたいです、ここでバンドソロをしてもらいたいです、とか。そういうアイデアが生まれていくのもいい経験になりました。あと、MCはこういう話をしたいので、この曲のあとに入れたいです、とかも話しましたね。
――MCのことも考えていたんですね。
やっぱりステージに立ってみんなの前で話すのって久しぶりだし、先に考えておかないと気持ちがあふれ過ぎて、絶対止まらなくなると思ったんですよ。モーニング娘。のときにたくさんの経験をさせてもらって、その上でまた再スタートさせていただけるってぜいたく過ぎることだし、ファンの方々にも、周りで支えてくれる方々にも本当に感謝しかありません。
――最後に、「DAYBREAK」のリリース、ワンマンライブを開催して、今感じている自分の成長と、今後取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
今までだと頂いた曲をどう表現するか、みたいな外枠からの目線でいたと思います。そこが今は、自分がどれだけ曲のピースになれるかという意識に変わってきていること。それは自分でもいい変化だと思いますし、もう1つは、どう見せたいのか、どういう要素を取り入れていきたいのか、自分の意見が生まれて、それをしっかり意見できるようになったことですね。
昔の私って、「はい、分かりました!」って返事をする聞き分けのいい子だったと思います。それはグループの1人であったからというのもあるし、物事が円滑に進むように変に頭を使っていた部分もあると思います。それも今はずいぶん変わって、人の意見は参考にしつつ、「でも自分ではこうしたいんです」と提案ができるようになっている。心にとどめるのではなくて、自分の意見を言葉にできるようになったのは、私の中ではとても大きな成長ですね。
――取り組んでいきたいことはどうですか?
いろいろなクリエイターさんと作品を作っていきたいです。今は周りの方々がいろいろ考えて紹介してくださることが多いんですが、今後は自分でも考えて、一緒に作品作りをしてくれる人を探していきたいと思います。ちょっと変わったコラボレーションもできたらいいなと思っていて、そうすることで表現の幅をもっと広げていきたいです。
取材・文:鈴木康道
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■EP「DAYBREAK」
通常盤:2,500円(税込)
限定盤(CD+DVD):3,500円(税込)