「有田が面白いと思うなら口は出さない」くりぃむしちゅーの信頼関係
――くりぃむしちゅーは今年でコンビ結成30年、改名から20年となります。小田さんから見て、くりぃむしちゅーが長く第一線にいる、売れ続けている理由は何だと思いますか。
僭越ながら言わせていただきますと、コンビとしてのバランスの良さもそうですが、やはり、お2人ともそれぞれ自己完結した面白さや技術があるからじゃないでしょうか。上田さんはたとえ有田さんがいなくても、さまざまな番組でMCとして、ひな壇のタレントさんたちをイジって縦横無尽に“司会”されます。ずば抜けた頭の良さと場を活かす能力をお持ちだと思います。
一方の有田さんは、いつでも面白いことを言うじゃないですか。この前の「おしゃれイズム」の最終回でもずっと面白いことを言い続けて、すごいなと思いましたし、「世界一受けたい授業」のような情報番組でも絶対にブレずにボケ続ける。お笑い芸人としての仕事に徹底したあのスタイルは本当にすごいと感じます。
――お2人が20年近く第一線で活躍し続けている背景には、きっとお互いの信頼関係もあるんでしょうね。
だと思います。「くりぃむシリーズ」に関して上田さんは、笑いのコアな部分を有田さんに託していて、「有田が面白いと思うなら口は出さない」というスタンスだと感じます。それにくりぃむさんって、コロナ禍になってから楽屋を別々にするようになったんですけど、以前はずっと楽屋が一緒だったんです。お笑いコンビの中には、普段は相方とそんなに多く言葉を交わさない方々もいるようですが、くりぃむさんは本当に仲が良い。打ち合わせなどで楽屋へ行くと、よく2人の雑談と笑い声が聞こえてくるんですよ。お互いに良い空気感というか、信頼関係を築いているように感じます。
――そして10月からは、「くりぃむシリーズ」の最新作となる「くりぃむナンタラ」がスタートします。上田さん司会の「おしゃれイズム」が放送されていた時間帯に放送されることも話題となりました。
挑戦的な意図はまったくありません(笑)。単に、新しい番組をスタートさせるタイミングでオンエアできる枠がこの時間しかなくて、それがたまたま「おしゃれイズム」が放送されていた時間帯だった…というだけです。悪気は何もないんです(笑)。
――「くりぃむナンタラ」は、どういった番組にしていきたいでしょうか。
これまでの「くりぃむシリーズ」と同様に、「くりぃむナンタラ」も、くりぃむさんがプレイヤーとして面白いことをやる番組にしていきたいです。企画によっては若手芸人さんが何かにチャレンジしてくりぃむさんがジャッジするということもありますが、やはりくりぃむさん自身が汗をかくのが理想の姿だなと。上田さんが「俺たちがちゃんと芸人として活躍できる番組にして欲しい」とおっしゃっていた真意もそういうことでしょうし。くりぃむのお2人が、企画に飛び込んで自らプレイヤーとなって面白い現象を起こす。そんな場を作ることが我々の仕事だと思っています。
文=こじへい