「100%!アピ~ルちゃん」総合演出・水野雅之が語る新番組制作の裏側『99%は恐怖を感じています』<インタビュー>
頑張ってるアピールを代わりにしたい
――“アピール下手な人たちに代わって魅力をアピールする”という番組を思いついたきっかけを教えてください。
2021年の5月に特番として放送した前身番組「愛しのアピールちゃん」で、大手コンビニチェーンというアピールが上手そうなところでも、魅力をアピールできていないことがあるんじゃないかっていう切り口でやってみたところ、視聴者にも出演者にも反応が良く、それでいてみんなが得する企画だなという手応えを感じました。
日本人ってアピールが上手な人たちのことを、心のどこかで好きじゃなかったりすると思うんです。たとえば、よく悪口っぽく言われるワードで、「頑張ってるアピール」っていう言葉があるじゃないですか。「頑張ってるアピール」って自分で言うと鬱陶しいけど、他の人が言うとすごく良く聞こえて、取材対象者の魅力が受け入れやすくなると。その頑張ってるアピールを代わりにしたいなと思ったのがきっかけです。
――初回放送は、これまで気にしたことはなかったけど言われてみると確かに気になるなと感じるテーマの数々でした。このような絶妙な企画はどのようにして思いつくのでしょうか。
基本的に、僕が生活の中で疑問になったものや引っ掛かったものをどうやったらエンタメにできるかなっていう考え方をいつもしています。例えば、ガードレール。車道に沿って曲がっているガードレールって、曲げることによって強度が何十倍にもなってるんですって。それって本来アピールできることだなと思うんです。普段何気なく見ているものの中に、アピールできることがあふれているかもしれないという意識を持って毎日生活しています。少しつらいんですけど(笑)。
――10月18日(月)放送では、2階建て新幹線「E4系 Max」の引退でなぜファンたちは号泣するのかを調査する企画が放送されますが、このような企画を思いついたきっかけを教えてください。
例えばアイドルの解散コンサートとか、一部の人は泣いているけど、世の中の人たちはどうして泣いているのか分からないと思うことってたくさんあると思うんです。でも、泣く理由をアピールしたら、みんな泣けるのかもしれないということを試したくて企画しました。
指原莉乃&有岡大貴が水族館の魚に感情移入
――“アピール”という切り口で、さまざまな企画を作ることができるんですね。これから放送される企画で、印象に残っている企画はありますか?
オープンするまでの水族館を1カ月取材した企画(10月25日[月]放送予定)です。水族館の主役って、だいたいサメとかエイとか、みんな見たいものって一緒じゃないですか。でも、そのほかにも何千匹という膨大な数の魚がいる。番組では、その魚を搬入する人たちに密着して、裏方の苦労や水族館ができるまでを密着取材しました。
VTRを見たスタジオ出演者の皆さんは、「水族館を見る目が変わった」と驚いてましたね。あと、水族館に展示される魚がジャニーズJr.に選ばれるくらい狭き門だということを知った指原さんと有岡くんが、魚に対してめちゃくちゃ感情移入していたのが印象的でした。