「長井短さん、すごくいいなぁ」
お金をたくさん持っているから幸せとは限らないように、運がいいからと言って幸せとは限らない――そんな存外深いメッセージが、気軽に見られるコメディのなかにさらりと織り込まれている。
後味さわやかな理由の一つが、ラッキーガール・紗菜を演じた長井短の存在感だ。
ラッキーには慣れっこでも、お店にサービスしてもらえば嬉しそうな顔をするし、幸たちに「願っていることが叶ったり、いいタイミングで大事な人と出会えたりするんですよ」と語ったあとに「だから、この出会いもきっと、いい出会いなんだと思います」と付け加えるのも忘れない。
その表情はふんわりと優しくて、幸たちとの出会いをいい出会いだと心から信じていることが伝わってきて、見ていてとても心地よい。
運が生まれつきなのか、人柄が呼び込むものなのか、その正解は誰にもわからない。だが長井演じる紗菜には「この人にならちょっとサービスしてあげたい」「この人のためならもうちょっと頑張れる」と思わせる不思議な魅力が漂っていた。
長井は舞台を主戦場に活躍する女優であり、モデルとしても活動。ここ数年はドラマへの出演も増えていて、「時をかけるバンド」(2020年、フジテレビ)や「書けないツ!?~脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活~」(2021年、テレビ朝日系)、「武士スタント逢坂くん!」(2021年、日本テレビ)などレギュラー出演も多い。「江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~」(2021年、日本テレビ系)ではYouTuber三木姫子役でゲスト出演し、華やかなドレス姿で強烈なインパクトを残した。
「アンラッキーガール!」でも、“幸運の連続なのに全然幸せではない”という一見矛盾したキャラクターを説得力を持って演じていて、視聴者が気軽に“幸せって何だろう”と考えるきっかけを提供してくれている。
視聴者からも「長井短さんすごくいいなぁ」「長井短さんの表情やしゃべり方、マイペースな雰囲気もめちゃくちゃ役に合っててすごく好きになった!」といった声が上がる。「アンラッキーガール!」の中のラッキーガール・紗菜にもますます注目が集まりそうだ。