佐藤満春の行動に驚き「そんな人は見たことがなかった」
――「キョコロヒー」では、舟橋さんが演出、サトミツさんが作家という関係性です。普段はどういったやり取りをしているのでしょうか。
舟橋:基本的に会議で話すことは大きく2つで、トークの“おかず”というか、盛り上げるきっかけとなるトピックをつくるのと、後半のVTRをどうするかです。そのアイデアを作家のサトミツさんと渡辺佑欣君に考えていただき、そこからどんどん膨らませて会議の中で1番盛り上がったところを収録に持っていくという感じです。
佐藤:「こういうVTRであれば、齊藤さんとヒコロヒーさんは笑ってくれるな」とか、「会議でみんなが面白がってくれたのはここだったな」とか、「キョコロヒー」はピュアに面白いものを提示できる数少ない場所なんですよ。だからこの番組の会議はめちゃくちゃ楽しいです(笑)。
――「キョコロヒー」で仕事を一緒にする前と後では、お互いの印象は変わりましたか。
佐藤:僕は若林君に聞いていた通りの人って感じですね。長年の感覚値で、「若林君がこういう風に言う人はこういうセンスがある人なのかな」と想像がつくので、予想通りにすごくセンスがある方です。
舟橋:僕はビックリしたことがあって。会議の終わりに「次の会議までにこういう案をお願いします」と伝えるんですけど、普通みんなは“ケツ合わせ”で、次の会議の開始直前に送ってくるんです。でもサトミツさんは、会議終わって1時間くらいで送ってきてくださりますよね。そんな人は見たことがなかったのでビックリしました。
あと、会議では「こういうとき、演者さんってどう思うのかな」「芸人さんってこういうのやりにくいのかな」って想像しながらの作業が多いのですが、実際に芸人さんであるサトミツさんはちゃんと答えを持っているので、すごくありがたいです。だからとめどなく仕事が舞い込んでいるんだと思います(笑)。
佐藤:(笑)。でも、僕の中では「キョコロヒー」をやらせてもらってるということが、1つの名刺になっています。「あの面白い番組をつくってるということは面白いんだね」って思ってもらえるので、仕事は増えた理由としては「キョコロヒー」がかなりでかいと思います。
誰も考えてない組み合わせ…「キョコロヒー」誕生秘話
――舟橋さんにお聞きします。「キョコロヒー」は齊藤さんとヒコロヒーさんの組み合わせですが、どのように思いついたのですか。
舟橋:元々はヒコロヒーさんと何か番組が出来たらいいなと思っていました。大喜利やネタが面白い事は知っていましたが、みなみかわさんとの「もう二度と松竹を辞める人間を出さないでおこうTV」をキッカケに色んな動画を漁って、ネタのエッジもすごいし、トーク中も一言のキレ味で笑いをとっていてすごく面白い方だなと。noteで書いていたヒコロヒーさんの文章も読んでいたんですが、「そういう気持ちも言葉にできるんだ」っていう言葉の解像度がすごく高いと感じました。
で、「バラバラ大作戦」の枠でダンス番組を1つやりたいとの募集があって、若手でもないので、遠慮しようかなと思ったんですけど、「ちょっと強引だけどこの枠でヒコロヒーさんの番組をつくるぞ」と (笑)。テレビに出るヒコロヒーさんが、“やさぐれ”とか“毒舌キャラ”と当時言われがちだったので、そうじゃなくてじっくり会話を見せられる番組がいいなと思いました。そうなったときに、「夜中にヒコロヒーさんと同じトーンで会話をして聴き心地が良さそうで、まだ誰も考えてない組み合わせは誰だろう」と考えたら、齊藤さんだと思いました。
齊藤さんはもともと声やパフォーマンスがカッコ良いなと強く印象に残っていて、あのキャラクターとビジュアルとのミスマッチ感も面白いなと思ってました。「齊藤さんって今ぶりっこキャラなの!」というのも気になりましたし(笑)。あとは、さらば(青春の光)さんとラジオをやっていて突拍子もない言葉を放り込むのが面白くて、あの感じでさらばさんと話せるということは、さらばさんと近い関係性のヒコロヒーさんともきっとしゃべれるだろうなと思い、オファーしました。スタート前は、2人は共感しあっていくんじゃないかなと思っていたんですけど、そこはだいぶ違いましたね(笑)。