黒縁メガネにちょび髭、スリーピースのスーツ。いかにも古き良き「昭和のサラリーマン」といったいでたちがトレードマークのお笑い芸人、イワイガワ・岩井ジョニ男。だが、実はインスタグラムで11万人以上のフォロワーを抱え、その投稿写真のセンスの良さが度々SNSで話題となり、様々な広告モデルも務めている「イケオジの星」だ。
ジョニ男のインスタを見ると、世界観が統一されており、投稿のクオリティが非常に高いことがわかる。一般的なお笑い芸人のアカウントのようにオフショットの投稿などはなく、架空のサラリーマン・ジョニ男が様々な街を歩く様子を、カルチャー系雑誌のようなおしゃれなカットで切り取っている。このインスタの運営チーム「ジョニーズ」の一員である編集者・写真家のキンマサタカ氏とジョニ男本人に、インスタのコツについて聞いた。
キンマサタカ氏「『サザエさん』みたいなマイペースなアカウント」
――ジョニ男さんの過去インタビューによると「知り合いにインスタやりましょう!と言われ全任せした」とのことですが、どのような経緯で「ジョニーズ」が結成されアカウントが立ち上がったのですか?
元々僕が雑誌の連載でジョニ男さんにインタビューしたことから知り合いました。そのときは衣装じゃなくて私服だったんですが、おしゃれだしスタイルがいい人だなと思って。その後、別の飲み会で意気投合し「何かやりましょう」ということで、僕が知り合いだったイラストレーターの師岡とおるさんに声をかけて、3人の「ジョニーズ」が発足しました。たしか、渋谷の寿司居酒屋でした。
――当初はどんな方針や目標でインスタを始めましたか?
毎月違う街を回っていこうということですね。3人ともお酒が好きなので色んな居酒屋に行きたいけど、お店を紹介するだけだとよくあるから、街を紹介していって最後に居酒屋で締める、というコンセプトを決めました。投稿一覧を見てもらうと気づくと思いますが、月末はかならず飲んでる写真で終わるようになっています(笑)
――現在フォロワー11.5万人とかなり多いですが、フォロワーを増やすために心がけていることはありますか?
特にないんです。WEBメディアに取り上げてもらったり、時々SNSで「このおじさん面白い」みたいにバズったりして。そのたびにフォロワーが増えて今に至っています。
――フォロワーはどんな層が多いのでしょうか?
男女どちらもいますが、女性の方が少し多いですね。3,40代からの反応が多いかな。
時代を追うと古くなる、追わなければ時代が自分に合う
――ジョニ男さんのインスタは、ひとつひとつの投稿に世界観がありますよね。写真で工夫していることはありますか?
写真は僕が撮って、細かい演出は師岡さんに任せているんですが、ジョニ男さんは普通にしているだけで面白い貴重な人なので、顔を作りすぎずに何気ない瞬間を切り取るようにしています。あと街の雰囲気が伝わるように、やや引き目のアングルの写真も多く入れていますね。
――レトロな雰囲気が素敵です。
「平成が終わって昭和が来る」というキャッチフレーズを最初に考えて。ただ別に「レトロがおしゃれ」と狙って始めたわけでもないんです。ジョニ男さんがタモリさんの付き人時代に「時代を追うな、追った瞬間に古くなる。そのままいればいつか時代が自分に合う」と言われたそうなんですが、僕たちも同じです。ジョニ男さんの見た目って昭和のサラリーマンなので、ひたすら「昭和ごっこ」をやっていたら、一周回って昭和がおしゃれになってきた。
――なるほど。インスタを続けている中で変化した点があれば伺おうと思っていたのですが、ずっと共通した方針で続けてらっしゃるということですね。
基本的にはあんまり変わってないですね。毎月街は変わるけど、「サザエさん」みたいなマイペースなアカウントです(笑)ただ、始めた頃と比べるとハッシュタグとかはちゃんとつけるようになりました。