テレビ番組に精通するライターの前川ヤスタカが、地方番組に注目し、レビューしていく。今回は仙台放送で放送されている「永野のわっしゃ!」(毎週土曜11:25-11:50)を取り上げる。
「宮崎県」出身の永野、「宮城県」で冠番組
何を今更と思われるかもしれないが「宮崎県」と「宮城県」は字面が似ている。かたや九州、かたや東北で共通点は殆どない両県だが、言い間違えられたり書き間違えられたりは、わりと日常茶飯事である(ちなみに筆者は実家が宮城県だ)。
「宮崎出身の芸人・永野が宮城で冠番組」というニュースを見た時、一瞬「えっ?永野って地元宮城だったっけ?」と思ったが、よく見ると全然違う。
「永野のわっしゃ!」は2021年2月の特番を経て同年4月からレギュラー放送が始まったローカル番組で、芸能界の一部で評判になっている永野の観察眼で宮城県の色々なものをより魅力的にプロデュースするというコンセプトである。
仙台放送といえば日曜昼にも、地元出身の狩野英孝・パンサー尾形がメインを張る「かのおが便利軒」を放送しており、土日の昼は芸人のローカル番組やりがちという“地方あるある”がここでも踏襲されている。
「宮”崎”出身の永野がなぜ宮”城”で?」と不思議に思う方も多かろうが、おそらく同じ事務所の盟友サンドウィッチマンの地元という縁もあるのだろう。たとえが適切かは全くわからないが、石原裕次郎の地元で渡哲也が番組をやっているようなそんな感じである。たぶん。(その割にサンドウィッチマンのサイン色紙を見つけると毎回毒づいているが……)。