感謝することを「忘れたくない」と思える大人に
――30代を迎えるにあたって、なりたい人物像があれば教えてください。
この仕事をしていると、私よりももう一歩早く起きている人がいて、もう一歩早く支度をしてくれている人がいて、そんなスタッフさんたちをいつも本当にすごいなと思うんです。スタッフさんたちが自分よりも何時間も前に現場に入っている姿を知ってしまうと、「こんなに待たせていたのか」とゾッとします。
私たちが来るまでに「こんなにすてきな空間を用意してくれているんだ」とすごく感じるようになったからこそ、それを絶対に、何があっても忘れたくないなと思います。口に出してわざわざ言わないとしても、ちゃんと思っていたいです。
たくさんの人たちが自分より早起きしていることを思ったら、自分が朝起きたときに「眠い」とか「今日行きたくない」と思うことが“恥”でしかないと感じるので、その気持ちを忘れないようにしたいです。そのありがたみを持って、スタッフさんとの仲も縮まっていったらいいなとも思っています。
学生時代にお母さんがお弁当を作ってくれていたことと似ている感覚です。その時はお母さんに「すごく感謝してます、ありがとう」なんて言えないけど、今はその大変さが分かります。そういうことを、大人になった今も周囲の人たちがやってくれていると思って、感謝し続けて、「忘れたくない」と思える大人になりたいです。
――最後に読者へのメッセージをお願いします。
今回もまた、たくさんのビッグな人たちに「カレン食堂」に来ていただきました。すごくお店も盛り上がってきて、明るくなってきています。おいしく食べている姿を見るのがすごく楽しくて、料理って、自分が食べるのも最高だけど、人に作るのってこんなに楽しいんだと、また気付かせていただきました。なかなかみんなでご飯ができないご時世ですが、少しでもほっこりゆっくり癒やしになってくれたらいいなと思います。