藤井青銅からの助言「得意なこと以外をやらないとダメ」
――お話を聞いていると、サトミツさんのターニングポイントにはよく青銅さんがいる印象です。
藤井:いや、そんなことはないと思いますよ(笑)。
佐藤:でも、そうなんですよ。勝手に僕はそういうふうに感じています。
藤井:作家になりたいっていう人には、僕は入り口を紹介するしかできないんですよ。「この番組についてみたら」と紹介はできますけど、そこから先は本人が頑張らないと次はありません。作家になりたいという人に、僕がいつも言うのは大体同じことですね。「自分の得意なこと以外のことをやらないとダメだよ」と。ひとつのことだけやっていると、他のこともできる能力があっても色眼鏡で見られてしまって、他の仕事で声がかからなくなってしまうので。
――青銅さんのアドバイスが活きたのですね。
藤井:いや、僕は佐藤君には「何でもやればいいんじゃない」っていうぐらいしか言っていないので、アドバイスも何もしてないですよ。佐藤君はどんどん仕事をされているから、ご自身ですごい頑張ったんだと思うし素晴らしいです。
佐藤:ただ、言葉の端々といいますか、青銅さんに言われたことが少しずつちゃんと頭に残っていますよ。今いろいろとお仕事をいただく中で、「この仕事全然向いてないな」って思うような案件もくるんですけど、「とりあえずは一回やってみる」というのは、まさに青銅さんに教えてもらったことです。
藤井:絶対にやった方がいいですよ。僕は過去にはポエムとかも書いてましたから(笑)。なんでも一応はやってみて、自分に向いてないと分かれば、次からはもう受けなければいいだけの話ですので。
藤井青銅が考える、佐藤満春が“売れっ子”である理由
――青銅さんから見て、サトミツさんが売れっ子である理由はどこにあると思いますか。
藤井:関わっているレギュラー番組は、今何個あるんですか。
佐藤:15本ぐらいです。
藤井:すごいね!すごい売れっ子じゃないですか。佐藤君の原稿を見たことはないので分からないのですが、ひとつはさっきも言った通り、「なんでもやる」という姿勢。あとは人間的に良いんじゃないですか。良い意味でクセがなく、誰とでもやっていけそうな感じがしますよね。喧嘩しないですよね?
佐藤:そうですね、はい(笑)。
藤井:僕も喧嘩はしないで、喧嘩しそうな人との仕事は断ればいいという考え方です。やっぱり作家として、誰とでもうまくやっていけるというのはすごく大事なんですよ。
佐藤満春が明かす藤井青銅のすごさは「春日への接し方」
――逆に、サトミツさんから見た、青銅さんのすごさはどこにありますか。
佐藤:「青銅さんみたいになりたいな」とずっと思っているけどなれないのは、品があるところです。それこそ業界でいろんな仕事をしていると、相手を見て接し方を変える人ってすごくいるんですが、青銅さんは絶対にそれがないんですよ。春日に変に偉そうにするスタッフを山ほど見てきたけど、青銅さんはちゃんと大人として接していますし。まずそれに対して、すごいなと思っています。
あとは「オールナイト」とかでも、提案の仕方がすごくスマートなんです。青銅さんも立場を分かっているからだと思うんですけれど、たぶん「こうしたらいい」と強く考えていても、「このぐらいの言い方にしておこう」みたいな(笑)。
藤井:それは歳をとったからだと思いますよ。でもおっしゃることはよく分かります。後輩は「それは違う」と思ってもなかなか言いづらいでしょうし、あまり言わないようにしようとは思っています。だから番組から早く消えなきゃなって(笑)。
佐藤:いやいや全然そんなことはないですよ(笑)!いてもらわないと困りますよ。
藤井:そういうのも、言葉をカツアゲしているみたいで嫌ですよね(笑)。
佐藤:(笑)。でも、青銅さんは言葉でなにか言うというよりは、やりながら見せてくれる人ですね。参考にするならしてもいいし、という感じで。僕も、青銅さんと若林君のやりとりの端々を見ながら、勝手に勉強させてもらっているという感じです。
藤井:教えることなんかないし、やっぱり優れている人はどんどん上手になっていくんですよ。