2014年、32歳の若さにして腎臓がんが発覚したはんにゃの川島ofレジェンド(川島章良)。幸い早期発見で、摘出手術が成功し、2020年には丸5年間異常がなかったため、晴れて定期検診を卒業している。そんな川島のがん体験をまとめた著書「はんにゃ川島のお笑いがんサバイバー」(扶桑社)が2月18日に発売された。妻・菜月さんへのプロポーズを決意した夜、健康診断を受診した病院の医師からがんを告知された川島。幸せの絶頂から「深海に突き落とされた気分」と当時の心境を振り返りつつ、その直後に掛けられた妻の意外な一言に救われたと明かす。また、「公表したら笑ってもらえないんじゃないか」という病名公表前にあったという芸人としての葛藤を経て、がん公表を行ったのは「行動を変えるきっかけをつくりたい」という使命感があったという。
“軽い気持ち”で健康診断受診も、プロポーズの夜にまさかのがん告知「深海に突き落とされた気分」
――まずは、本の内容から教えてください。
今回の本は僕のがん体験をまとめたエッセイであり、また、僕の経験をもとにがん患者さんがされたら嬉しいと思う接し方についてつづったハウツー本にもなっています。それに加えて、手術後に健康を意識して実践した禁煙法やダイエット法についても書かせていただきました。
――そもそも、川島さんはどんなきっかけでがんを発見したのでしょうか。
僕ががんだとわかったのは2014年の32歳の時でした。若かったですし、お腹がポッコリしている以外はいたって健康体だったんですが、発見したきっかけは健康診断でした。当時の僕は「健康診断なんて意味あるの?」「若いうちからやる必要ないんじゃないか」と考えていて、何年も受診していなかった。でも、当時の彼女で今の奥さんの“なっちゃん”の妊娠がわかったので、「お父さんになるのだから」と思い、数年ぶりに軽い気持ちで受けたんです。
――がんだと告げられた時はどんなシチュエーションだったのか聞かせてください。
健康診断から数週間後、なっちゃんにプロポーズする目的で行った温泉旅行の最中に、がんだと伝えられました。この日の夜、なっちゃんがお風呂に入っている間に、サプライズで買っていたバッグを用意して部屋で待ち構えていたんです。
そんな時に、健康診断を受診した病院の先生からLINEで「今度マネージャーさんとご両親を連れて病院に一度来てください」とメッセージが来て…。これはただ事じゃなく、気になって仕方なかったので、すぐに電話したところ「腎臓がんの疑いがあります」と言われました。その瞬間、今から一世一代のプロポーズをするって時に「なんで今なんだよ!」と心の中でツッコみつつ、視界が一気に真っ暗になって、深海に突き落とされた気分でした。