酒寄夫「結婚生活に関して、他にこうしてほしいということはないんだけど、カレーだけはわがままを聞いて欲しい。実家のカレーがディナーカレーの辛口だったんだけど、自分の中でカレーと言えばそれなんだ。だから申し訳ないんだけどカレーを作るときはディナーカレーの辛口にしてほしい」
夫はそう言って私に頭を下げました。私はそこまで丁寧に頼まれなくてもカレーだったら何でも好きなのでその願いを叶えることにしました。
私「いいですよ」
酒寄夫「ありがとう!他は何でも大丈夫だから!」
こうして我が家のカレーはディナーカレーの辛口に決まったのですが、ちょっとした問題が発生しました。
酒寄(あ!このスーパーはディナーカレーの辛口が売ってない!)
ディナーカレーの辛口はスーパーによって売っているところと売っていないところがある絶妙なカレーだったのです。(売っているところでも売ってない日があったりしました)
酒寄(他のスーパーに行くの面倒くさいな〜もう違うルーにしようかな)
私は売っていた他のカレールーを手にとり、カゴに入れました。しかし、頭を下げた夫の姿がよぎります。夫はカレー以外は一切自己主張せずに何を出しても(私が大失敗した無味の輪ゴム風焼きそばなど)文句を言わず食べてくれるのです。唯一の希望くらい叶えてあげなくてはと思い、
酒寄(よし、〇〇スーパーも行ってみるか)
と、スーパーをはしごしたりして、我が家はディナーカレーの辛口を守り続けていました。そして結婚して5年くらいたった頃、ある日、夫が私に言いました。
酒寄夫「ごめん。実家のカレー、ディナーカレーの辛口じゃなくてジャワカレーだった」
私は誰の思い出でもないカレーを何年も作り続けていたのです。うける〜!
この話で何が伝えたかったかというと、
酒寄「誰の思い出でもないカレーを何年も作ってしまいましたが、逆に考えると、夫のミスによって、私たちのお家カレーが出来ました!」
なんて話ではなく、美味しければそれで良いじゃない!ってことです。そのときそのときで目の前のご飯が美味しかったらそれでもう幸せですよ!私はこれからも田辺さんに「今日何食べた?」と聞くのを楽しみにしてます!
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「ぼる部屋」
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