そして壮大なストーリーで考えさせられることも多いのが“金10”。中谷美紀さんが一風変わった刑事を演じて一大ブームを作った「ケイゾク」(1999年)や財前直見さんが主演した「QUIZ」(2000年)など、ミステリーだけどはっきりとした答えがないんですよね。特に「ケイゾク」は劇場版も作られて見に行ったけど、最終的には何だったのか今も謎で(笑)。そしてそれが「SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜」(2010年)につながっていって…。深く考えれば考えるほど底がないというのが、どこか「エヴァンゲリオン」に似ていてる気がします。追いストーリーで二度も三度も楽しめるというか。だから未だに語ることができるし、コアなファンを生んでいる。そんな貴重な作品と出合えるなんて最高です。
ちなみに“金10”のがすごいのはオリジナル作品が多いこと。妻夫木聡さんが研修医を演じた「ブラックジャックによろしく」(2003年)あたりから原作ものが増えていくのですが、それ以前は基本、オリジナル。そしてそれが名作揃いって、めちゃくちゃすごくないですか? 当時の一番流行を追っている枠が“月9”でしたが、向こうはキュン要素も強くて華やか。それに対して“金10”は骨太なストーリーという真逆でした。同じラブストーリーでも山あり谷ありといろいろ不幸も多く、どこか事件性があり、ミステリーでも1話ごとに事件は解決するけど全体を通して大きな謎がずっとあるといった、どこか心に残る作品が多いんです。そして今見ても面白いものばかりです。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)