大事な日、パワーがあるものを食べたい日はカレーを選びます
――毎回ベイカーたちの熱い戦いがあるわけですが、お二人が勝負事の前に食べる物や、することがあれば教えて下さい。
坂井:カレーがすごく好きなので、舞台の初日や緊張する現場がある時など、何かパワーを注入したいときはカレーを選びます。スパイスと大好物の力で、元気が出ますね。
工藤:僕はないんです。勝負事の前も、その日に気合を入れるというよりは、1週間くらい前から同じ生活のサイクルを作って、体を慣らすために“あえて変わらない日常を作る”ことがこだわりかもしれないです。特別なことと言えば、年に1回は何かの節目で伊勢神宮にお参りに行っています。
収穫だけでなく、そのプロセスを感じられる瞬間がすごくたくさんあるのが魅力
――では、それぞれにお伺いします。挑戦という意味で、工藤さんは農業にも取り組まれていますが、魅力について教えてもらえますか?
工藤:農業のどの分野に携わるかにもよるんですけど、野菜作りでいえば土を作ることから始まるので、自然と向き合ったり環境を知るということも醍醐味の1つですね。
――すごく広い視野で自然と向き合われているんですね。
工藤:そうですね。その土台があれば、水質管理も必要ですけど、基本的には野菜は自然と育ちます。もちろん自然だから、虫にやられたりもするけれど、野菜本来の力で育つ。それって、すごく人間に近い部分があると思うんですよね。
子どもも、生まれた時からお世話は必要だし手はかけますけど、成長するにつれて色んな失敗をしながらも自分で考えて大人になっていく。育てるほうは、その過程を愛情を持って見守る。収穫だけでなく、そのプロセスを感じられる瞬間がすごくたくさんあるのが魅力だと思っています。
坂井:工藤くんからお野菜いただいたことあるんですけど、本当においしくて。今のお話を聞いて、工藤くんの自然との付き合い方と愛情で、“おいしいものが出来るはずだな”と思いました。
緒形拳さんからのアドバイス「役者はどこかで、いつも冷静な部分をもっている必要がある」
――では、坂井さんに伺います。番組の中でベイカーたちは成長のために厳しく指導される場面も見られますが、役者を続けるうえで、これまで受けた指導やアドバイスで心に止めていることはありますか?
坂井:緒形拳さんとご一緒した時に、緒形さんが楽屋に呼んでくださり、色々なお話をして下さったんです。本当に貴重な時間でした。そのなかで「役者はどこかで、いつも冷静な部分をもっている必要がある」「自分が気持ちよく演じるだけでは絶対にダメだ」と。その言葉がとても心に響きました。
――人を思って料理をするベイカーの思いに通じる部分でもありますね。
坂井:そうですよね。それは役者を続けるうえで、いつもお守りのようにもっている言葉です。
――では、お二人から最後に改めて番組の見どころをお願いします!
工藤:お菓子作りに向き合うベイカーさんの思いや、真剣に取り組む姿、そして番組の回が進むにつれて、ベイカーさん同士の関係性が変化して絆が深まっていく様子に注目してほしいです。
坂井:ベイカーさんたちがどんな技術や技をもって臨むのか、お菓子やパン作りに興味のある方にとっても面白く見ていただけると思いますし、その時々に起こる予測不能な人間ドラマも楽しんでいただければと思います。
インタビュー・文=原千夏
TCエンタテインメント
東宝