「2割はしっかり見る」リーダー論
山岡さんいわく、「ハルメクは、『びっくりした』『感動した! なんでこんなに私の知りたいことが分かるのか』『ハルメクを読んでいて良かった』と思ってもらえるところまでいかないと合格点じゃない」と、その目指すところは極めて高い。
2017年に編集長に就任し、大改革を行った山岡さんだが、当初は「異を唱えるスタッフもいて当然だと思いますけど、いました」という。その中で改革を成功に導いたのは「とにかく早く、小さな成果でもいいから早く結果を出す」という強い思いだった。
リーダーとしての「2割ぐらいはしっかり見て、(それ以外の)任せられるところは任せる。こういう企画をやろうっていう目線合わせは真剣に時間をかけてやる」という姿勢が、周囲からの信頼を勝ちとることにつながった。
そんな山岡さんも、29歳で初めて雑誌の編集長を任された当時はリーダーとしてどう関わるべきかが分からず、当時勤めていた会社の先輩社員に悩みを打ち明けた。
「その先輩が『山岡さん、もしかして自分のコピー人間がいたらいいのになって思ってないですか? その考え方は違うよ。そこからは、山岡さんが思いつく範囲のものしか生まれないよね』って言われたんです。それが、その後の私のチームビルディングの指針になっています」と山岡さん。この時学んだリーダーとしての姿勢が、山岡さんを現在の快進撃へと導いた。
常に挑戦を続ける山岡さんは「新しいことにチャレンジしようとする時、『怖いな』と思った時にやっていることは、失敗しても別に死にはしないっていうことです」という。「失敗した時のシナリオは、評価が下がる、上司に怒られる、周りから嫌味を言われる。でも、その程度だなって思うんです。その程度のリスクでできるなら、新しいことにチャレンジしてみるのもいいのかなって思っています。チャンスがあるならやったらいい。想定される最悪シナリオはたいしたことじゃない、って思うようにしています」。
自らの背中を押したい時のとっておきの方法を打ち明けインタビューを締めくくった山岡さん。その前向きな姿勢に、林先生も大きく頷いていた。
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