『バイキング』時代の批判に「いい気分なわけない」、一方で“顔を晒して仕事をする”ことの覚悟も
――坂上さんは今回の番組開始にあたり「地上波ではお会いすることがかなわなかった、あの方にも会えるみたい」とコメントされています。改めて地上波とネット配信の違いはどんなところにあると考えていますか。
「バイキング」だと僕の中で発言に一定のラインを設けていて、それを半歩踏み越えるぐらいは全然OKという認識でいたんです。一方「デマ投稿を許さない」では、僕が話すというよりもゲストのお話を聞く性質の番組なので、「バイキング」と勝手は異なりますが、「ここまで話せるんだ」と驚くことも多々あります。そのあたりはやはりネットならではだと感じますね。
――「バイキング」出演時は、メディアの報道によって批判にさらされることも少なくなかった印象です。ご自身の発言がメディアに恣意的に切り取られてしまったことも多々あったかと思いますが、それらに対する憤りや、やりにくさなどは感じていましたか。
それは「僕だって人間なんだから、いい気分なわけないじゃないですか」っていう答えになっちゃいますよ。とはいえ、顔を晒して仕事をするというのはそういうことでもあり、特に今そういう時代でもあるので、許容すべきところは許容しなければとは思っていますけどね。
『バイキング』最終回の“号泣シーン”を「カットして欲しい」と頼んだ理由
――「デマ投稿を許さない」の初回放送では、「バイキング」最終回の裏話として、号泣したシーンをスタッフに「使っちゃダメ」とお願いしていたことを明らかにしていました。結果的には号泣の場面はオンエアされたわけですが、ご自身の泣いている姿を放送に乗せたくなかったのはなぜですか。
僕はあっさり終わりたかったんです。なのであっさり終わるのに涙はダメだなと思い、普段は「ここを使わないでほしい」と指示することはないのですが、あのシーンに限っては「カットして欲しい」とお願いしていたんです。でもスタッフさんの愛情もあって、最終日が近づくにつれて「華々しいフィナーレにしたい」という空気になっているのを感じていました。そして最終日の本番直前、チーフプロデューサーの動きから「なんか怪しいな」と察知して確認してみたところ、案の定「すいません、入ってます」と。「人の引き際をそうやって操作するもんじゃない」と注意したら、「坂上さんは最後の最後まで怒るんですね」と言われました(笑)。
――改めて最後に「デマ投稿を許さない」の見どころをお願いします。
「デマ投稿を許さない」は30分番組なのですが、1回の収録で、3時間生放送の「バイキング」と同じぐらい疲れます(笑)。その理由は、デマ投稿となると、皆さん伝えたいことが多くなるからかもしれません。また、ゲストの方がデマ投稿を完全否定しないことも面白い。そういったデマの中にある真実みたいなものを探るという観点からも楽しめる番組ではないかと思います。
文=こじへい