コスプレのおかげで「気持ちが明るくなった」中傷を乗り越えた原動力
――そうしたなか、コスプレという文化を知り、それにハマっていく過程で、絵鳩さん自身も徐々に垢抜けていったという感じでしょうか?
そうですね。そこから人生が好転した…とまでは言いきれませんが、コスプレのおかげで気持ちが明るくなって。その頃から容姿でいじられることも少なくなりました。
――これまでにアップされたコスプレ写真を拝見しましたが、この数年で随分と雰囲気が変わりましたね。美意識に目覚め、そこからさらにメイクの勉強やダイエットを頑張ろうと思われるようになった理由・きっかけは何なのでしょうか?
裏垢や愚痴垢という、人の写真を無断転載して好き勝手に叩くアカウントがあるんですけど、そこに写真をアップされて、さんざん悪口を書かれたことがあったんです。そのときは「やっぱりデブスにはコスプレをする資格はないんだ…」と、めちゃくちゃモチベーションが下がりましたが、「とはいえ、ここで辞めてしまったらこれまでに費やしてきたものが無駄になってしまう…」と、妙に現実的な視点で状況を捉えることができて。そこから「辞めるくらいなら、コスプレのクオリティをもっと高めて、叩いてきた人たちを見返してやりたい!」という気持ちがふつふつと湧いてきて、よりいっそう自分磨きに励むようになった…という感じです。
――誹謗中傷を受けた精神的な辛さよりも、「途中で投げ出すのはもったいない」という気持ちの方が勝ったわけですね。
ある意味、貧乏性で良かったなと思っています(笑)。もちろんそれだけでなく、私自身も一コスプレイヤーとして、自身の体型だったり、メイクの出来栄えには、まだまだ満足していなかったので。今は前向きな気持ちで、コスプレのクオリティを高めることに励んでいます。
――貴重なお話をありがとうございます。最後に、絵鳩さんのように「垢抜けたい」と思いながらも取り組みがうまくいかず、悩んでいる人たちに向けて、何かアドバイスがありましたら教えてください。
私自身、明確な目的がないと何事も長続きしない性格なので、ダイエットをするときは「頑張らざるを得ない」状況を作るようにしていました。例えば、コスプレ衣装を用意するときは、あえて1サイズ小さめのものを発注するんです。そうすると、何が何でも痩せないと、そのキャラクターのコスプレができないし、何より衣装代が無駄になってしまうので。私の場合は、自分のなかの「もったいない」という心理を突くのがいちばん効果的でしたが、そうした“自分自身に刺さるポイント”を見つけて、うまく組み込むことが、努力を長続きさせる秘訣なんじゃないかな…と思っています。