敵と味方、双方の立場から放たれる多彩な「ツッコミ」
「千鳥の鬼レンチャン」は、挑戦者が課されたお題を“何回連続で成功できるか”を、千鳥とかまいたちが予想する番組。たとえばメインコーナーの「サビだけカラオケ」で課されるお題は、「名曲のサビだけを1音も外さず歌いきる」というもの。
歌う曲はレベル1からレベル10まで用意され、半音でもズレたら即失格という厳しいルール。10曲連続で歌い切れたら賞金100万円で、これまで歌手や芸人などさまざまな実力者が挑戦してきた。
……と、これだけなら単なる“歌うま”の企画。「鬼レンチャン」が面白いのは、挑戦者たちと千鳥&かまいたちが直接会わないこと。千鳥とかまいたちは、スタジオから挑戦者たちが歌うVTRを見守り、ワイプからツッコミを入れ続けるのだ。
挑戦者たちはあらかじめ「千鳥軍」「かまいたち軍」に振り分けられており、レンチャンした回数の合計で勝敗が決める。勝敗がかかっているので、ツッコミにも熱が入る。「千鳥軍」のターンなら、かまいたちが敵のダメそうなところをツッコみ、失敗することを祈り続ける。対する千鳥は味方の立場からフォローしつつも、「危ない!」「やる気あんのか!」とケツを叩いたりする。
ターンが変われば敵味方の役割が逆になるし、挑戦者がウケ狙いで変なことをすれば敵味方関係なくツッコミを入れる。急に挑戦者の過去を振り返るVTRが流れ出せば、「回想入った!」「ここで終わるんか!?」と番組構成にまでツッコんでいく。
VTRにツッコミを入れる千鳥の面白さは、「相席食堂」(ABCテレビ)などでも証明済み。「鬼レンチャン」は、これにかまいたちが加わり、「敵」「味方」双方の立場から多層的なツッコミがこれでもかと浴びせるのだ。挑戦者が10レンチャンに近づけば「歌い切れるのか」という緊張感も足されるし、たとえ1レンチャンで終わってもしっかり笑いに変えてくれる。千鳥とかまいたちが揃えば、なにが起きても大丈夫な安心感がある。