「チームラボ」としての作品発表にこだわる理由について「単純に、一人では作れないと思ったんですね。専門家が集まってモノを作っていく、ということをしたかったんです。その名前でやること自体が、集団的創造でモノを作っていく時代だっていうメッセージでもあって」と猪子さんはいう。
世界基準ではすでに、チームで働くことが重要視されてきている。猪子さんは、日本で“チームで働くこと”がなかなか重要視されない背景には、同質(同じであること)を重視する文化がある、と考える。「同質を求めるとチームは作りにくいんです。同質だとチームを作る意味がないですね。長所が多様であるほど、短所が多いほどチームを作る意味があります。どんどん物事が複雑になっていて、一人が全部の専門性を習得するっていうことは不可能になってきていると思うんです」という指摘には、スタジオからも納得の声が上がった。
「自分にとって意味があることを」の一心で
猪子さんは2001年、東京大学在学中に友人と「チームラボ」を創業。以来、Web開発で資金を稼ぎながら自分たちの目指すアートに情熱を注いできた。活動が世界に評価されるようになった今、その“自分たちの目指すアートを”という歩みは正しかったと感じている。
「自分にとって意味があると思えることをやれたのが良かったと思っているんです。自分にとって意味があれば、うまくいかなくても評価されなくても続けられる。評価のために生きるっていうのは短期的な消耗戦になってしまう気がするんですね。評価されようがなんて言われようが、自分にとって意味があるのであまり関係ないと思えたことが良かったし、すごくラッキーだったなと思っています」。猪子さんは、しみじみとそう振り返った。
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