コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回ご紹介するのはTwitterで10万件以上のいいね、2.5万件以上のリツイートを記録した人気作『ユウコさん』だ。作者の「無」さんにインタビューをしたところ、作品の誕生秘話や注目ポイントを語ってくれた。
誘拐犯やストーカー犯を撃退。“悪霊退散”してくれる幽霊!?
作品の始まりは女性が誘拐されるシーン。女性は男に口を押さえられ、共犯らしき人物もすぐそばの車内で待機している。「これ以上暴れたら殺すぞ」という言葉とともに、女性の目から溢れる涙。ショッキングで胸が苦しくなるようなシーンだ。しかし次の瞬間、物語は思わぬ展開を見せる。突然目の前に現れた女性が、血まみれになって犯人たちの方へ向かっていくのだ。そして血まみれの彼女が顔を上げると、犯人たちは恐ろしさのあまり悲鳴を上げながら逃げていく。そう、女性の正体は人間ではなく幽霊。幽霊といえば怖いイメージがあるが、本作で登場する幽霊、通称“ユウコさん”は、誘拐犯やストーカー犯を退治してくれる女性の味方だったのだ。
読者からは「正義の幽霊ですね!」「ユウコさんめちゃくちゃ優しい…」などと絶賛されている。また「ホラーだから怖いのかなと思ったけど、そんなことなくて次回も読みたいです」と続編に期待する声もあった。
作者の「無」さんが明かす『ユウコさん』の誕生秘話
――『ユウコさん』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
実際に起きた怖い体験についての掲示板を眺めていたときのこと。リアルな心霊体験を知るために掲示板を開いたのですが、書かれていたのは心霊体験の話だけではありません。むしろ心霊系の話と同じかそれ以上に、痴漢や誘拐未遂に遭った話など、「人間が襲ってきた」という怖い話が書かれていたのです。
読んでいるうちに腹が立ってきて「こういう悪い奴らの前に幽霊が現れてくれたらいいのに」という思いが芽生えました。そして思いを漫画にぶつけた結果、『ユウコさん』が生まれたのです。
――作品を描くうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
キャラクターを動かすのが好きなので、表情や動きにはこだわっています。読んでくださった人が、キャラの過去や感情を想像してくれたら嬉しいな…と思いながらいつも描いていますね。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
ユウコさんが笑顔を見せ、消えていくシーンです。ユウコさんというキャラの根幹、つまり生前から幽霊になった現在まで揺るがないものが詰まっているシーンだと思います。
――ニコッと微笑んだ表情が印象的なユウコさんですが、幽霊モードとの書き分けで意識していることはありますか?
幽霊モードのときは、ユウコさん自身「悪者が一発で逃げるくらい怖くしよう」と意識して姿を作っているんです。やたら血まみれにしてみたり、目力を強くしてみたり。笑うときは怖がらせるといけないので、血を減らしてます。ユウコさんは結構演出家なんです(笑)
――今後の展望や目標をお教えください。
漫画を描く上で最も大事にしている目標は、読者の皆様に「好き!」「もっと読みたい!」と思って頂けること、描いてない部分まで想像して頂けること。今後もそんな目標を意識しながら描いていきたいです。実際にリプライで『ユウコさん』の考察を書いて頂いたときはテンションが上がりました。
今作は私の感情任せに描いた部分もあるので、今後続きが描けるかどうかはわかりません。とはいっても、また描きたいと思える特別なキャラです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
なかなか更新できず申し訳ないのですが、たまに頂けるリプライやいいねにとても励まされています。ホラーは決して万人受けしないジャンルなので、見て頂くこと自体本当にありがたいです。感謝しかありません。また沢山の方に楽しんで頂けるよう頑張りますので、見守って頂けたら幸いです。