女優の森川葵が7日、都内で行われた舞台「4000マイルズ〜旅立ちの時〜」(12月12日より日比谷・シアタークリエにて上演)の製作発表記者会見に、主演の岡本圭人、共演の瀬戸さおり、高畑淳子とともに出席した。
森川、毎日稽古に励んでいることを明かす
本作は、2011年にオフ・ブロードウェイにて世界初演、2012年にオビー賞のベスト・ニュー・アメリカンプレイを受賞、2013年にピューリッツアー賞の最終候補となり、以降、世界各地で上演されてきた珠玉のヒューマンドラマで、本邦初演となる今回、岡本、森川、瀬戸、高畑が、シアタークリエで4度目の演出となる上村聡史氏とともに挑む。
レオのガールフレンドでセントポールから単身ニューヨークの大学に編入し高い志を持っているベック役を演じる森川は、稽古の手応えと本作の魅力を尋ねられると「台本を読んでいたときは、文字を読んでいるだけなのでキャラクターが立体的になってこなかったんですけど、ここ最近、本読みをしながらみなさんとやっていると、“こういうキャラクターだったんだ”って見えてくるところが多くて、それを感じながら毎日稽古をしています」と声を弾ませ、「人の喪失と、また人と繋がっていくということが両方描かれている作品なので、そこがしっかりみなさんに伝わると素敵なものになるのかなと。そこが魅力になっていくのかなと思いながら、まだ自分ではっきりとわからない部分もあるなあと思いながら、毎日稽古をしています」とアピールした。
“思い出深い旅”はイタリア1人旅
また、舞台経験が少ないという森川は、演出家・村上氏の印象を聞かれると「舞台っていろんな読み方ができるじゃないですか。それを私はどう読んでいいかわからなくて、アホな質問とかめっちゃするんですけど、舞台って独特の雰囲気があって、質問したら『自分で考えろ!』みたいな雰囲気だと勝手に感じていたんですよ(笑)。でも、上村さんは質問してみたらすごく優しく返してくれるので、自分で上手く考えられない私からすると、すごくありがたいというか、こういう雰囲気でよかったって思いながら毎日やっています」と胸を撫で下ろし、高畑は「前の演出家は誰だったんですか?」と突っ込んで笑いを誘った。
さらに、本作の内容にちなみ、“思い出深い旅”を尋ねられると、森川は数年前に行ったイタリア1人旅を挙げ「荷物とかを特に持たないでリュックだけ背負って10日間くらい行ったんですけど、そのときに1人で行ったのに1人じゃない感覚を鮮明に覚えています」と遠くを見つめ、「向こうの人って声をかけてくれるので、そういう人と教会を見て回ったり、声をかけてくれた人のお家でご飯を食べさせてもらったり、新幹線みたいなものがあるんですけど、その中で出会った女の子が日本のアニメが好きで、私もアニメが好きなのでそういう話をしてイタリア語を教えてもらったりした旅が1番記憶に残っています」と笑顔を見せた。
◆取材・文=風間直人