コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ある女性と、昔の自分に似た境遇を持つ男の子との同棲生活を描いた漫画『ハロー・マイ・ホーム』をピックアップ。
現在、コミックELMOで連載中の本作(1話)を作者・空翔俊介さんが2022年12月20日にTwitterに投稿したところ、5.6万を超える「いいね」が寄せられ反響を呼んだ。この記事では、空翔俊介さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
「何かが変わるかもしれない」の一心で引き取った少年との同棲生活で起こる変化とは
親戚に心無い言葉を投げかけられて以来、人と話すのも笑顔をつくるのも苦手になってしまった女性・たまをは、漫画編集の仕事に就くも担当を変えられてばかりの辛い日々。漫画編集の仕事を絶対辞めたくないのには幼い頃に亡くなった両親と語った夢が関係しているが、それも続けるのが難しいのでは…と落ち込んでいた。
落ち込んだ時に訪れる場所は決まって一つ。親戚から敬遠され、たらい回しにされていた、たまをを引き取ってくれた柏木のおじさん・おばさんの家だ。家に近づくと「いいじゃないたまをさんも引き取ったんだから、ひとりもふたりも一緒でしょ!?」と聞き覚えのある声が玄関から聞こえてくる。角からこっそり覗くと昔の自分と似た境遇の男の子が柏木家に預けられようとしていた。
この様子を目撃したたまをは、思わず男の子に「私のお家、来る?」と言い、自分の家まで連れて帰ってしまったのだ。自分の思いがけない行動に焦ったたまをだったが、柏木さんに引き取る許可をもらえ一安心。過去の自分にそっくりな少年・海との同棲生活を始めることになる。
「今、私が行動することで何かが変わるかもしれない」「過去のトラウマを払拭できるかもしれない」という思いだけで始まった海との同棲生活はうまくいかないことも多く…。
感情表現は苦手なたまをと海は、コミュニケーションをとることも難しく、同棲生活にはいくつもの壁がはだかる。そんなたまをの苦悩や、お互いが徐々に心を開いていく様子を描いた本作。Twitter上では「刺さる」「ハートフルの芽生えを感じる」「こんなにTwitterの漫画で泣いたのはじめて」「感動が止まらない」「この2人応援したい」など多くのコメントが寄せられ注目を集めている。
「当たり前が当たり前じゃなくなった先を見守ってほしい」作者・空翔俊介さんが創作の裏側を語る
――『ハロー・マイ・ホーム』は5.6万いいねを超える大きな反響です。ここまでの反響となったことについて率直な感想をお聞かせください。
すごく嬉しいです。最初は読んでもらえるか気に入ってもらえるかすごく不安で、担当さんやアシスタントさんに弱音もいっぱい吐いていました。なので見てもらえて読んでもらえて本当にすごく嬉しくて、また頑張って漫画を描いていこうと思えました!見てくださった皆様本当にありがとうございます!
――『ハロー・マイ・ホーム』を創作したきっかけや理由があればお聞かせください。
私の作品は学園物が多く、担当さんが「学園物以外も描いてみませんか?」とお話をしてくださって生まれました。初めての社会人が主人公の漫画で慣れないところもありますが、がんばっていこうと思っています!
――『ハロー・マイ・ホーム』では、親戚の家に預けられようとしている少年・海を自分に重ねて、いてもたってもいられず引き取る様子が描かれています。海やたまをのキャラクターはどのように生み出されたのでしょうか?
普段明るい子たちばかり描いているので、その逆をやってみようと、まったく描かない感じの子達を主人公にと生まれたのがたまをちゃんと海くんでした。設定が暗い感じでしたので、それに合わせてデザインをしたら自然にあの2人になった感じです。
――『ハロー・マイ・ホーム』は連載で今後もお話が続いていきますが、今後の見どころをお聞かせください。
たまをや周りの人達が海くんを通して少しずつ変化していく様を見ていってほしいです!暗い過去や辛いこと・悲しいことから始まった物語で、当たり前に思っていることが当たり前じゃなくなって、その先を2人がどう生きていくのか、何を見つけるのか見守っていってほしいです!
―― 今後の展望や目標をお教えください。
たくさんの人に読んでもらって楽しんでほしいです。少しでも読んでよかったと思える漫画を描いていきたいと思ってます!目標というか夢はやっぱり自分の子達が動いてるのをいつか見てみたいと思ってます!
―― 最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
読んでくださり知ってくださり本当にありがとうございます!皆様のおかげで今、漫画が描けていること、それを絶対忘れずに少しでも漫画という形で恩返しがしていきたいです!元気に読んでもらえるように自身も元気に頑張ります!皆様もどうか笑顔で元気にいてほしいです!