香取慎吾、初のアリーナ公演「カラダの水分0%」になるほどの渾身パフォーマンスで魅了
「こんな大きな所で皆さんと過ごせてるのは、信じられないんだ。嬉しくて」
その後、“SNGバンド”のメンバー紹介タイムでは、ダンサーの時と同様に、1人ずつLEDにステージでのパフォーマンスと共に、名前、リハの姿、そして素の笑顔ショットが映し出される。バックダンサーやバックバンドも“NAKAMA”なのだという香取の想いが感じられる演出だ。
チェックのロングジャケットに着替えた香取は、バンドサウンドでロック色が強くなった「Neo」を熱唱。そして「Anonymous」、は全身赤の衣装、赤い照明、ペンライトも赤、の赤一色の世界で披露された。
「楽しい時間はあっという間で…」との香取の言葉で、ライブはもう終盤なのだと気づかされた。「子どもの頃からステージで歌って踊ってきた」と話し始めた香取は「改めて、こんな大きな所で皆さんと楽しい時間を過ごせてるのは、本当にね…信じられないんだ。嬉しくて」と一言一言大切にしながらファンに語りかける。先輩のバックで踊りながら、自分も前で踊ってスポットライトを浴びたいと思った事、その後、自分たちがメインとなり色々な会場…大きな会場でも公演できた事。小学生のときにマイケル・ジャクソンの東京ドーム公演に行き、マイケルと目が合った気がした事、そして、自分たちの初ドーム公演の時にステージに手をついて「マイケル、やっとここまで来たよ」とつぶやいた事、そのあと、また手をついて「マイケル、1回ステージを降りるね」と告げた事…。そこから明治座、京都劇場と単独公演を成功させ、アリーナクラスのステージに今、立てている事。
「こんな大きな所で、大好きな歌、ダンス(ができて)、みんなの笑顔を見る事ができて、ほんっとに幸せです。ありがとう」。大きなステージに立つのは決して当たり前な事ではないのを実感した彼は、超満員の会場を目に焼き付けるように見回し、「これからもずっとずっとみんなと一緒に楽しい時間を過ごしましょう。一緒に明日を生きましょう。一緒に頑張りましょう」と言って、「ひとりきりのふたり」を歌い始めた。語りかけるような歌声で歌詞がしっかり伝わってくる。生で聴くバラードでは、まっすぐで伸びやかな歌声が際立ち、歌のうまさに改めて気づかされた。
アンコールで新曲「BETTING」初披露
感動で会場を包んで本編が終了した後は、アンコールで「BETTING」を初披露。盟友・草なぎ剛の主演ドラマ「罠の戦争」の主題歌で、韓国のボーイズグループ・SEVENTEENとのコラボでも話題の新曲だ。続く「東京SNG」でテンション最高潮の中、「また一緒に遊ぼうねー!愛してまぁーす!」と声の限り叫び、すべての観客に手を振る香取。徹底的にみんなを楽しませたい、というサービス精神がこれでもかと感じられたライブだった。
そして特筆すべきは、約2時間、ほぼ生歌だったこと。激しいダンス曲では音源を使うアーティストも多いが、香取は踊りながら歌った。しかも音程はブレず、息継ぎも完璧。なかなかできることではない。歌詞を何度か間違えたことを悔やんでいたが、それもナマの醍醐味。サービス精神、パフォーマンス、すべてに長けたグレイテストショーマン・香取慎吾に、楽しくて幸せな時間をプレゼントされた気持ちになった。
◆取材・文=鳥居美保/構成=ザテレビジョン編集部