HKT48・矢吹奈子が、4月1日に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで卒業コンサートを開催。9年5カ月のアイドル生活に幕を下ろした。
2013年8月のオーディションをきっかけにHKT48入りした矢吹。11月にデビューを果たすと、翌12月にはAKB48のシングルに収録された「ウインクは3回」で研究生ながらセンターに抜てきされ、その後は田中美久との“なこみく”コンビで人気を博す。2018年10月からは日韓合同アイドルグループ・IZ*ONEのメンバーとして活躍。2年半の活動を経て、2021年5月からHKT48に復帰していたが、2022年10月16日のコンサートでグループ卒業を発表。卒業後は俳優として活動していく。
指原莉乃、兒玉遥らOGが登場
矢吹のために書かれたHKT48の最新曲「君はもっとできる」、シングル表題曲で初センターを務めた「ビーサンはなぜなくなるのか?」、アルバム『アウトスタンディング』のリード曲「突然 Do love me!」、そして「ウインクは3回」と矢吹のセンター曲を立て続けに披露してライブはスタート。
過去の映像が流れる中、数々の思い出の曲はもちろん、元NMB48・渡辺美優紀の「わるきー」を矢吹バージョンに変えた「やぶきー」を久々に復活させ、ももいろクローバーZの「行くぜっ!怪盗少女」もHKT48バージョンで披露、さらに後輩による“なこみく”コントなど、バラエティーに富んだ内容で、矢吹らしい明るく楽しい空間を作り出した。
中盤は、矢吹がお世話になった人として、同期の栗原紗英&山下エミリー、田中美久、そしてOGの名前を挙げ、それぞれ一緒にパフォーマンス。二人きりでのステージが最後となる田中は号泣だった。
OGの兒玉遥、指原莉乃、田島芽瑠、朝長美桜、村重杏奈も駆けつけた他、韓国のアイドルグループ・LE SSERAFIMのメンバー・サクラとして活動中の宮脇咲良からはメッセージ映像が届き、それぞれ矢吹の卒業を祝福。
本編の最後には、「最高かよ」、そして“なこみく”がそろって初の選抜入りを果たした「桜、みんなで食べた」の2曲を現役メンバー、OGの共演でパフォーマンスした。
HKT48の思い出は宝物で、私の青春の全て
ドレス姿で登場したアンコールは、まず矢吹が一人で「ここにいたこと」を歌い上げ、卒業のあいさつ。スタッフや指原莉乃、家族への感謝に続き、メンバーへの思いを語った。
「一緒に過ごしてきた時間は長いし、思い出がありすぎて離れるのが寂しいです。みんなと作ってきた思い出は宝物で、私の青春の全てだなって思います。本当にみんなと出会えて良かったです。これからも一番の親友でいてください。一番がいっぱいになっちゃうんですけど…(笑)」。
最後はファンにも感謝。「私はファンの皆さんにたくさんの愛を頂きました。悩んだこともありましたが、たくさんの皆さんに見守られながら卒業できることが本当に幸せです。アイドル、HKT48としては最後になるんですけど、これからも今までみたいに応援してくださったり、遠くから見守ってくださるだけでもうれしいです。昔から応援して支えてくださった皆さんも、途中から最近好きになってくださった皆さんも、前は応援していたけど離れちゃったという方にとっても、私を応援していることを誇りに思ってもらえるように、これからも人間性を高めて、もっともっと成長できるように努力し続けたいと思います。この10年間、たくさんの幸せを本当にありがとうございました」。
2曲披露した後は、メンバーから矢吹へメッセージ。田中は「HKT48に入って、二人で活動することも多くて、比べられたりとか、お互いつらい思いがあったり、たくさんあったけど、その分楽しい思い出も多くて。奈子が隣にいたから頑張れたし、私の隣は奈子じゃないとダメだなって…ずっと思っていたから、今日は本当に寂しいんだけど、こんなにすてきな奈子の卒業を見送ることができてうれしい。卒業してからも頑張ってね」と別れを惜しみながらもエールを送った。
そして、本当に最後となる矢吹のあいさつへ。「最後の最後…終わってほしくないですね。メンバーと過ごしてきた時間が本当に楽しくて、小学6年生から入っていたから、学校にはたくさんは行けなかったけど、他では味わえない青春をたくさん味わえましたし、今日のコンサートをしながらも改めてHKT48のみんなが大好きだなって思いました。卒業して離れ離れになっちゃうけど、メンバーじゃなくなっちゃうけど、みんなが呼んだらすぐに駆けつけるからね。まだ(飛行機の)マイルもあるから(笑)。いっぱい、これからも会ったりしてお話したいです。後輩のみんなも連絡してください」と、涙をこらえるように笑顔を見せ、最後は「12秒」でアイドル人生に終止符を打った。