演劇・コント・地上波ドラマなどさまざまなフィールドで活躍し、今最も勢いのあるコント演劇グループ・ダウ90000。彼らの出演するバラエティ番組「ダウってポン」が、動画配信サービス・Paraviにて現在配信中だ。同番組は、ダウ90000が、同ユニットのファンである女優の松岡茉優をゲストに迎えて送るバラエティー。――という事前告知から打って変わり、初回収録の中止から第1話がスタート。フェイクドキュメンタリーに挑むダウ90000に密着したドキュメンタリー番組として展開されていくが、そのドキュメンタリーにもフェイクとリアルが入り混じるような新感覚の番組だ。WEBザテレビジョンでは、ダウ90000の脚本・演出を担当する主宰・蓮見翔にインタビューを実施。同番組についてや、仕事との向き合い方、今後のビジョンなどを語ってもらった。
「お高く止まろうとしてたの諦めた」、フェイクドキュメンタリーに至った心境の変化
――まず、ダウ90000の冠番組をやると聞いた時の感想は?
最初まだ何をやるかも知らずにParaviであるっていうことだけを聞いたんです。めちゃくちゃうれしかったですし、そんなに地上波にいっぱい出ているわけでもないんですけど、地上波よりも配信コンテンツの方が色々やれるイメージがありました。普通に新しいバラエティ番組を撮るっていうイメージもなかったので、でも山内さん(番組プロデューサー)だからドラマじゃなく何か面白いことをやるんだろうなとは思ってたので、ずっとワクワクしていました。
――出来上がったのは、ドキュメンタリーのようなロードムービーのような、新感覚の番組ですよね。
何重にフィルターをかけてやらせていただきました。楽しみ方は見る側が選んでいただければと思います。元々フェイクドキュメンタリーってまっすぐドキュメンタリーとして見てもらって成立するものだと思うんですよ。そういう人も元々いただろうし、「いやこれはどこまで嘘なんだ?」という見方をする人もいるし、本当、どの視点で見ていただいてもよいと思います。
――自分たちの冠番組、しかもドキュメンタリー要素のある番組をやるということについて、どのように感じられましたか?
実は、俺は最初の方は結構嫌がっていて(笑)。1回だいぶ前にマネージャーさんに「ドキュメンタリーやる?」って言われて、「何も成し遂げてないくせに裏側を見せたところで何になるんだ?」という想いで断ったことがあったんですけど、今は思わなくなりました。YouTubeではVlogとかで本番前の楽屋とか撮ってるのに、今更ドキュメンタリー嫌がるのも変だよなって。
――心境の変化があったんですね。
“お高く止まろうとしてたの諦めた“感じですね(笑)。今も、「裏側を見せない方がいい」と思ってはいるんですけれども…そんなこと言ってられるのは突き抜けて売れてる人だけだな、って思ったんです。
1番好きだから、劇場に固執したい
――劇場やYouTube、地上波や映像配信サービスでの冠番組など、さまざまな場所で活躍されていますが、ダウ90000の主戦場についてはどのようにお考えでしょうか。
本業はやっぱり劇場だと思っています。「生で見てもらう団体」だと思われておかないとまずい。僕は、1個1個の仕事が楽しいので、無理やり多彩にやっているわけではないんですが、ただ最終的なゴールは、テレビを見てくれた人が劇場に来てくれることだと思ってます。だから劇場のクオリティーはもう意地でも保ちたいし、テレビの仕事が増えて劇場の制作期間が短く…なってはいるんですけども、それを言いわけにしたくないですね。
――“生にこだわっている”というところがダウ90000の本質ということですか。
そうですね。一番好きな劇場に固執したいですね。
――蓮見さんは常にネタを3本ほど同時進行で書かれているということですが、そのモチベーションの源泉はなんですか?
もともとメンバーを食べられるようにするためでした。でも、全員去年末でバイト辞めたんでホント最近モチベーションがなくてヤバいなとか思っていて。今は「車を買おう」と思っています(笑)。あとは…猫を飼いたいですね。