フリーアナウンサーの大島由香里が4月から情報番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜午後5:00~、TOKYO MX)のMCを務める。2019年9月より約3年半担当してきた同局のワイドショー「バラいろダンディ」(毎週月~金曜夜9:00~、TOKYO MX)から担当番組が変わることとなった。「5時に夢中!」の出演が始まったばかりの4月上旬、番組終了後に大島アナへ担当番組変更の思い、フリーアナウンサーとしての働き方、生放送の面白さなどを聞いてみた。
「5時に夢中!」の収録は1時間笑ってたら終わっていた?
――担当番組が変わることを聞いた時の思いを改めてお聞かせください。
「バラいろダンディ」から「5時に夢中!」に移った女性アナウンサーってたぶん前例がないので、ちょっと不安っていうのもありつつ、一番最初に“嬉しいと悲しいが混在した”っていうのが本当に正直な感想です。「バラいろダンディ」と「5時に夢中!」はMXを代表する2つの大きな柱である看板番組なので、その両方に携われるっていう喜びと、あとはやっぱり「5時に夢中!」も歴史が長い番組なので、そこに携われるのは“素直に嬉しかった”っていうのはあります。でもその直後に、3年半担当してきた「バラいろダンディ」への思いっていうのは強かったから、「卒業はすごく寂しかった」っていうのも感じました。
――ご自身の配信するYouTube動画でも泣いてましたよね。
めっちゃ泣いてましたね、自分でもびっくりしました。あの時は、YouTubeで何となく“「バラいろダンディ」から「5時に夢中!」に行きます”っていうことを話そうぐらいにしか考えてなかったんですよ。それで正直に「自分がどういう風に思ったのか」っていうのを時系列でつらつらと喋った時に、いろいろ思い出してたら、なんかめっちゃ悲しくなっちゃって(笑)。悲しいのと寂しいのと、あとありがとうっていう気持ちとかいろんな感情がこみ上げてきちゃって。すごく泣いてしまって、自分でもびっくりしました。
――まだ番組を移って間もないですが、「5時に夢中!」の雰囲気ややりやすさ、楽しさなど、率直な感想はどうでしょうか?
やっぱり緊張するんですよ、すごく。「5時に夢中!」は何回か出させてもらっていたので初めて出る番組ではなく初めて立ち入る場所でもスタジオでもなく。スタッフさんも顔見知りが多いし、なんならカメラマンさんとか音声さんとか同じ方々で。そういう知った雰囲気の中で、何か全く新しいことをさせてもらうっていうのが自分の中ではありがたくて。
本当に初めての場所、初めての人、初めての番組だったら、たぶん緊張して空回りしたり楽しめる余裕が全くなかったと思うんですけど、昨日(初回出演日の4月3日)めちゃくちゃ楽しかったんですよ。「1時間笑ってたら終わってる」みたいな。でも始まる前は緊張してました。
――「バラいろダンディ」の時も緊張はされていたんですか?
めちゃくちゃ緊張しましたし、やっぱり生放送で最後までどう出るかわからないっていう緊張感は常に毎日ありましたね。だって、ふかわさん(ふかわりょう)隣で台本置いてないんですもん(笑)。もうそうなると「私がちゃんとある程度のコーナーは進めなきゃな」っていう、そういう緊張感ってのは常にあって。でもだから「生放送って面白いんだな」っていうのを、本当にそこで知ったんですよね。始まって終わってみるまで、その日の番組がどうなるかわからないっていう「玉手箱」のような楽しさがありました。
「決めておいたこと」では伝わらない、しっかり聞いて、考えた、生の言葉が一番大切
――「5時に夢中!」のコメンテーターの方や共演者の中で、何か印象的なエピソードってありますか?
初日にマツコ・デラックスさんと共演したんですけど、やっぱりすごく緊張して、「大丈夫だよな」って頭では思ってても体が緊張していたんですよ。それで「ちゃんとやらなきゃな」とか、垣花さん(垣花正)とダブルMCという新しい形だし、「私がMCとして仕切るとこ仕切らなきゃいけないかな」とかいろいろ考えてて。
でも本番始まってオープニングのタイトルと提供が流れている時に、マツコさんが「ちゃんとMCやろうなんて思わなくていいよ」って言ってくださって。それで「そうだよね。『5時に夢中!』ってそういう番組だよね」と思って、そこで“無駄な上がり”がなくなったなっていうのはあります。
――大島さんはアナウンサーとして経験豊富ですし、長年生放送をやっていた方が今も緊張感をもっているという話は素晴らしいですね。そこでアナウンサーとして、大島さんが仕事において大事にされていることはありますか?
フジテレビ時代はずっとニュースをやっていました。そこでは決められた原稿を正しく伝えて、フジテレビという看板を背負っている以上余計なことを言わないようにしようとか、意見を言う場合は必ず上の人の意見をお伺いを立てつつ、相談して発言するっていうのが、ニュースの中では当たり前のシステムだったんですね。それでずっと11年間やってきたので、そのあとのフリーになってからの最初のレギュラーが「バラいろダンディ」っていう全く違う星に来た感じだったんですよね(笑)。
なので、まずフリートークで苦労したんですよ。フリートークが苦手といまだに思いますけど、結局は「伝える」っていうことなんですよね。でもそこで一番大事なことは、「人の話よく聞かないと、求められていることが伝えられない」と思います。伝えようっていうことにすごく頭がいきがちですが、自分が思っていることは、「ちゃんと聞いていないと正しく伝えられない」ということ。
一生懸命自分の意見を述べようとしても、やっぱりずれちゃったり違うと感じていたんですが、「決めたことを喋ろう」としてる時って駄目なんですよ。あらかじめ決めていたことを無理やり突っ込んでも、場違いな空気になってしまうことがあって。大事なのは、「その場で盛り上がっていること、言うべきことを自分でその場で考えて伝える」っていう“生の言葉”が一番大事だということを「バラいろダンディ」でものすごく学んだ気がします。
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