「報道のアナウンサー」世間のイメージとのギャップ
――生放送は難しさや面白さがそれぞれあると思いますが、生放送をやっていて良かったところや大変なところはありますか?
表裏一体なんですよね。アナウンサーは、前振りとか締め方、尺、展開などしっかりとした構成を考えがちなんです。でも、TOKYO MXの生放送ってそれがあるようで全然ないんですよ(笑)。逆にそれを求められてないとも感じていて、例えば最初のコーナーでめちゃくちゃ盛り上がったとして、尺なんて倍ぐらいオーバーしているし、言いたい放題言うし、初日なんてひどかったですよ。ちゃんとしたオープニングかって言われたらもう全然崩壊していたんですよ(笑)。でもそこが面白く展開して興味を持ってもらえるんだったら、もう尺なんて気にしなくていいし、段取りなんて何にも気にしなくていい。TOKYO MXの生放送の特性です。
「一番面白い展開は、その時に正解が出る」っていうのがMXの生放送の面白さだなって思うし、私もそこにはとらわれずに「最後の尺が5秒だから綺麗にうまく言って終わらせよう」なんて、多分思わない方がいいんだなっていうのをこの2日で感じましたね。「気負ってしまったら終わりだな」っていうのはすごく感じます。
――YouTubeの動画でも、TOKYO MXに対して「一番つらい時に救ってくれた」というのをおっしゃってたと思うんですが、アナウンサーとしてつらい時ってのはどういう苦しさだったんですか?
これまで報道を担当していましたが、私「報道志望」と1回も言ったことがないんですよね。フジテレビの花形はバラエティーでしたが、そういう華やかさみたいなのを一切経験しないでずっとお仕事させてもらっていたっていうのはあったんですよ。でも報道志望って1回も言ったことない中で、「周りがどんどん華やかな仕事をしていくのに、私何してんだろうな」って、くすぶっている感情みたいなのもあったんです。11年続けてフジテレビを辞めてからも、やっぱりニュースのイメージなので、いくら「バラエティーやりたい」って言っても、なかなかそこで上手い流れにならなかったり、初めてお会いする芸人さんにも遠慮されたりして、“イメージとのギャップ”は常にありました。
そんな中で、バラエティーのイメージも全くないし、どういじったらいいかもわからない大島由香里をよく“何でもありなバラエティー”に呼んでくれたなと。しかもレギュラーで。そこがもう不思議でならないんですよ。フリーになったら「思っていたテレビ番組に出られる」って思ってたのに、情報バラエティーに自分が思う通り出演できない。出てもふがいない結果になるっていうのを繰り返していたつらさがありました。そんな中で、よく「バラいろダンディ」が呼んでくれたなという。
無理に自分を変えなくてもいいと思えた
――大島さんはフリーになられて6年目になりますが、フリーアナウンサーのあり方も多様化してきてる気がします。そこに向けて何か思うことはありますか?
もともと局アナが辞めてフリーアナになるっていうのが既定路線ではあったと思うんですけど、“そうじゃない人”が増えている肌感覚です。eスポーツの実況に行く方とか、自分で何かを起こす人とか、あとテレビ外の仕事に移るっていう方もいらっしゃいますし、選択肢が増えていると感じます。
でも私はテレビ好きなので、基本はやっぱり「テレビに出て何かを発信するっていうのはいいな」って思っています。今はニュースと、あとはテレビでバラエティーをやる、あとはYouTubeで本当のすっぴんの自分を見てもらうっていう、その三つのバランスっていうのがすごく自分の中で心地良いんです。なのでフリーって、多分自分の心地良い場所とかバランスを見つけられたらすごくいいポジションなんだろうなって思います。
――最後に、大島さん流の“楽しく生きるコツ”があれば教えてください。
私自身元々ネガティブだし、世の中を斜めに見る癖みたいなのを持っていて。それはたぶん一生拭えることはない自分を“良しとしてくれる環境”と出会えるかっていうところかなと思っています。それは私の中でTOKYO MXだったし、「そんな自分でもいい」って言ってくれる場所が見つけられるって、すごく幸せだと思うんですよね。だから自分を変えようとしなくてよくて、「人生短いから自分がやりたいことやんないと損じゃない」っていうふうに思うようになったんですよ。子どもができてからは特にそう思いましたね。だからYouTubeとTOKYO MXは「本当に変えてくれたわ」っていう感じがしていて、本当に私の中で大きい存在ですね。
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