テレビ大好きイラストレーター・渡辺裕子さんが、お気に入りの番組をかわいいイラストで紹介する連載「いつもテレビをみています」。第11回は「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」(毎週火曜夜7:00-、日本テレビ系)をチョイス。
店員さんたちがみんな、出している料理と同じくらいユニーク
大きな茶碗に盛って盛って、富士山みたいになってしまったご飯や、とても一人分とは思えないお皿に山盛りのおかずなど、とんでもないボリュームの料理を、とんでもなく安い値段で出すびっくりな店が次々出てくる『ヒューマンドキュメンタリー オモウマい店』。
「料理の量が多くて安い、でも味はそれほど」みたいな店ならそれなりにありそうだけど、この番組に出てくる店の料理は「これ絶対おいしいやつだ!」とはっきりわかる、今すぐにでも食べにいきたい魅惑的なヴィジュアルのものばかり。そして何よりどの店も、店長さん・店員さんたちがみんな、出している料理と同じくらいユニークなのがすごい。ユニークだからユニークな料理を作れるということなんでしょうか。そんな、一度見たら忘れられない、なんとかして行ってみたいと思うようなお店を、番組スタッフのみなさんはどうやって探してくるんでしょう。そして、スタッフのみなさんが普通な顔でバイトのように店で働いていたりするのはなぜなんでしょう……料理を席まで運んだり、厨房で仕込みを手伝ったり、中にはなんとそば店で、そば職人の弟子として見事にそば打ちできるようになっていたり。店員さんたちのユーモラスな言動やお店の良さをひきだしているのは、働けるくらいに店に通ってみんなと仲良くなっているスタッフのがんばりの結果なんでしょうね。名古屋からはるばる通っているスタッフの熱意と、撮影させてもらえるまでの努力と人間力も、お店のユニークさに負けず劣らずすごい。
お腹がすくけど、気持ち的に満腹になれる不思議な番組
スタジオのみなさんが、おいしそうだけどなんだよこのボリューム、と笑っているのを見て一緒に笑いながらうなずき、ヒロミさんや小峠さんが名物店員に愛のあるツッコミをする姿に、また大笑い。お客さんを喜ばせたくてどんどん多くなってしまったというお店の人たちの思いに、ちょっと感動もしたり。
そんなにたくさん出して大丈夫なのー!?なんでそんなに安いのー!?おいしそー!と、テレビを見ながらげらげら笑っているうちにお腹がとてもすくんだけど、なんだか気持ち的には満腹になれる、不思議な番組です。
■イラスト・文/渡辺裕子