コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、“王子と竜のやり取り”を昔話テイストで描いた漫画『眠れる森』をピックアップ。
普段はイラストレーターとして活動するこまちみゆたさんが、2023月5月8日に本作をTwitterに投稿したところ、1.3件以上の「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では、こまちみゆたさんに創作の裏側やこだわりなどについてインタビューをおこなった。
三百年もの間、竜が守り続けてきた宝とは…
物語の舞台となるのは、暗く深いいばらの森。そこには恐ろしい竜が住んでおり、ある時その竜を倒そうと1人の王子がやって来る。さっそく竜と接触した王子は、特に驚く素振りを見せず、「まあ君も一杯飲め」「なにせ三百年もここを飽きず守っているのだ 君もなにか考えあってのことであろうよ」と言って酒を差し出すのだった。
そして王子が「人の噂じゃ君はなにかどえらい宝を隠しているんだろう」「実際どうなんだい?」と竜に尋ねると、竜は「そうだ かけがえのない宝だ」と酒を飲みながら打ち明ける。どうやら竜が長い間ずっと同じ場所にいたのは、大切な宝を守るためだったようだ。
そこで王子は冗談交じりに「いっそのこと僕に預けてみないか?」「倍になって返ってくるかもしれんぞ」と提案してみる。その言葉を聞いた竜はしばらく黙り込んだ後、「いっそのことそれも悪くないのかもしれん」と、意外にも王子の提案を受け入れた。
そして「約束しろ いつも優しくし傷つけない事 けして捨てず手放さない事」と王子に告げると、“かけがえのない宝”を王子に託して竜は跡形もなく消えるのだった――。
物語の終盤では“宝の正体”や“竜の秘密”が判明し、竜が言った約束事の真意を知ることとなる本作。宝に対する竜の“深い愛情”が伝わってくる内容に、Twitter上では「“愛”が溢れてる素敵な作品」「竜がなぜずっと宝を守ってきたのか、バックグラウンドを知った時に胸がアツくなった」「とても奥が深くて良い話…大好き!」など絶賛の声が相次いでいる。
『眠れる森』のモチーフはグリム童話『いばら姫』
――『眠れる森』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
深夜に眠れない時やストレスがたまっている時などに、短い簡単な漫画を趣味として描く事があります。心をリラックスさせる目的が大きいです。
――本作では、“竜がずっと守ってきた宝の正体”がとても印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
竜の長きにわたる深い愛情を描きたいと思いました。王子の飄々(ひょうひょう)としたキャラクターが気に入っています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
これはおまけ漫画の話になってしまうのですが、王子の「やっと笑った」というセリフが特に気に入っています。
――作品のネタ(ストーリー)はどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
童話や、プレイしているゲームの影響が多いです。今回の話は『いばら姫』がモチーフになっています。
――こまちみゆたさんの作品は、読者の胸に刻まれるような独特な絵のタッチで、ストーリーも読みやすく感じました。普段作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
漫画は趣味活動なので、私の作画のしやすさ重視になってしまうのですが、読みやすいと言って頂けるなら嬉しく思います。
――今後の展望や目標をお教えください。
画業を始めてまだ1年と少しなので、コツコツと精進していきたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
たくさんのご反響を頂きありがとうございます。また、眠れない夜に漫画をしたためさせて頂ければ嬉しいです。