――幼い時から音楽が大好きだったと伺いましたが、憧れているボーカリストは?
子どもの頃からずっとマイケル・ジャクソンやホイットニー・ヒューストンは大好きです。ホイットニーは大阪城ホールのコンサートを見に行ったことがありますが、本当に感動しました。他にビヨンセも好きですし、日本の方では美空ひばりさんを尊敬しています。
「演技歌唱」というか、歌で聞かせて感動させるという表現の原点を感じます。歌う時に本当に大切に、その時の情景が浮かぶように表現することは、私にとっても大きな課題です。
――ディズニー作品に関しても、小さい頃からお好きだったそうで。
「ライオン・キング」や「不思議の国のアリス」は特に好きです。一番印象的なキャラクターは「ライオン・キング」のシンバでしょうか。とある事情で自分の国を出る事になるのですがもう一回自分の足で帰ってきて、戦って、自分の居場所を新たに作るんです。
最後に一歩ずつ雨の中を踏みしめて、自分の王国を見つめるシーンは本当に小さな頃から忘れられません。その私が今、ディズニーの作品に携われているということを、子どもの頃の私に教えてあげたいですね。
――「リトル・マーメイド」のキャストになる下地が、ずっと以前からできていたのかもしれませんね。他の吹替キャストも豪華ですが、エリック役の海宝直人さん、セバスチャン役の木村昴さんとの共演はいかがでしたか?
海宝さんのご出演なさったミュージカルには何度も観客として足を運んでいますし、木村さんの声も本当にいろんな番組で耳にしていましたが、お二人とも共演させていただくのは初めて。木村さんのセバスチャンの声も間近で聞かせていただいたのですが、圧倒されました。本当にカニがしゃべっているみたいというか、カニに生命が吹き込まれていく様子を感じるんです。
――木村さんがセバスチャンの声を担当すると、カニがまるで友達に思えるぐらい親しみやすく感じられます。
そうですね、歌にしてもセリフにしても、「リトル・マーメイド」の現場は本当に笑顔が絶えなくて、本当に楽しかったですね。
――劇場公開を迎えましたが、「リトル・マーメイド」のアフレコやイベントを経て、心境に変化はありましたか?
アリエル役に取り組んだことが、自分の大きな自信にもなりました。そして、自分の声の可能性を知ることもできました。
今まで舞台を中心に仕事をしてきましたが、声で表現する手段、自分が人に伝える手段の可能性が広がった実感があります。「リトル・マーメイド」は、私にとってターニングポイントになる作品ですね。
◆取材・文=原田和典
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/the-little-mermaid
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