スーパー銭湯アイドルとして有名なムード歌謡コーラスグループ・純烈の元メンバー・小田井涼平。2022年を持ってグループを卒業後、2023年2月には冠番組『一度は行きたい極上宿 小田井涼平のあい旅』(毎週木曜 夜7時58分～9時、7月から夜8時～9時放送・BSJapanext)を持つなど衰えない人気ぶりを見せている。卒業前からやりたいと言っていた「旅番組」を持つに至った現在の心境や、やりたいことをやって楽しく生きるコツ、これからの小田井涼平について語ってもらった。
冠番組、しかも旅番組を持てたことは「逆にびっくり」
――卒業前から口にしていた旅番組MCついて、早々に実現している形です。現在の心境を教えてください。
いきなりレギュラーの番組をいただけることになって、驚きでした。僕としては当然もっと後のことだと思っていたので。まずは番組の1コーナーとか、不定期なロケとか…そういうイメージだったんですよ。まさかこんなに早く自分の番組としてやらせてもらえるなんて、逆にびっくり。
ロケとかレポートは純烈時代にもやっていたけど、そこまで頻度が多いというわけでもないんです。「あい旅」の番組制作陣にとっても僕のロケスキルとかはほぼ未知数だったはずなので、その中で起用してもらった期待には応えたいなという気持ちです。
――番組を作っていくうえで、気をつけていることはありますか。
番組作りに参加する当初言われたことなんですが、「予定調和の番組はやりたくない」と。これは僕のやりたい方針とも合致していて、本当に助かりました。
台本に全部書いてあって、その通りに進行するのも1つの形ではあります。でも僕は純烈時代から、会場のお客さんの反応を見てトークの内容を変えていくというやり方でした。実は純烈って、MC台本とかなかったんですよ。
普通にすれ違った人に話しかけて、それがそのまま電波に乗る…みたいなのが僕の最終的にやりたいこと。もちろんお店や観光スポットの紹介とかはあるけど、合間にでもそういう人との触れ合いをやらせてもらえるのはありがたいですね。
――人との触れあいを重視しているのですね。
訪問する土地によって、方言があったり、人の気質だって違います。すごく陽気な人が多いところがあれば、ちょっと引っ込み思案なところも。その時々に訪れた街、土地とそこに住む人の魅力を伝えられるかが面白さに直結すると思っています。
たとえば、たまたま伺ったイチゴ農家さんでも思わぬ出会いがありました。その農家さんは奥さんが従業員さんと働いていたので、なんとなしに「旦那さんはどうしてるんですか」と聞いたんです。するとすでに旦那さんは亡くなっていて、その遺志を継いで奥さんは頑張っていると。自然にお話を聞いているなかで奥さんが目に涙を浮かべるシーンもあって。でもこういう話を聞けたら、普通に「ここにイチゴ農家があるんだ」ってだけじゃなく、見方が変わると思うんです。「旦那さんがやっていたことを、奥さんが頑張って引き継いでるんだ」という思い入れにも繋がる。こうしたお話は事前スタッフさんからも伺ってなかったので、自然な会話の流れで出てきたんです。聞けたお話自体はハッピーなものではありませんでしたけど、同じくらい良い話もたくさんある。こうした話が聞けるのがロケ番組の魅力であり、現場で生でやっている醍醐味でもあると思います。
――では台本もそこまでカッチリとは決まっていないのでしょうか。
もちろん台本はしっかり用意いただいているんですが、僕的にはそこまで読み込んでいないというか…。もちろん事前に訪れる先の名物や、地名の読み方なんかはリサーチします。予備知識がないと話がスムーズに進まない場面もあるので、そこはしっかり。本当は台本通りに進めて欲しいのかもしれないから…申し訳ないけど、かなり自由にやらせてもらっている形です(笑)。
「宿紹介」についてはまだ修行中
――旅番組といえば、この春から「街ブラ」から「宿紹介」にリニューアルしましたよね。手応えはいかがでしょうか。
お宿紹介は、街ブラと比べて難しいなと勉強の日々です。お宿の紹介って、何を切り取るのかによって全然見え方が変わってしまう。たとえば料理・風呂・部屋とか、お宿の「コレ！」という一番の魅力を伝える方法です。もちろんトータルですべてのレベルが高いから「素晴らしい宿」なんですが、なかでも“そのお宿ならでは”の魅力を引き出す必要があります。
お宿のスタッフさんはこちらが紹介のために来ているのを知っているので、いろいろなポイントを教えてくれるんですね。「これもいいですよ！」と。でも見ている人って、意外とフックになるもの、記憶に残るポイントが1つあるだけで宿の魅力はバッチリ伝わるんですよね。逆に「あれもこれも素晴らしい」ってやると押しつけがましく感じられるかもしれないので、僕としては「これは本当によかった！」ってところを紹介したいと考えているんです。
でも人間ですから、もちろん好みは人それぞれ。お宿の人に話を聞いているうち「お宿の売りポイントはこれなんだろうな～」と察せられる場合もあるんですが、「自分はこっちの方がより感動したけどな～」ってパターンのときは難しさを感じます(笑)。
――同番組は今年4月リニューアルということもあり、まだお宿紹介のスキルは修行中というイメージでしょうか。
修行中ですね。僕はお宿に働いている方々…それこそ女将・料理人から清掃スタッフまで含めた“人”から出る魅力を届けたいんですよ。やっぱりどんなに素敵なお宿でも、お客さんと接するのは人なので。最後に残るお宿の印象って、働いている人によって大きく変わると思うんです。
たとえば「いらっしゃいませ」と丁寧に三つ指ついて出迎えてくれる女将さんが、たまに方言が漏れたり、意外におっちょこちょいだったり…。そういうのが人の魅力として伝わってほしいんです。だからカメラが回っていないところでも冗談を言ったりして、少しでもスタッフさんに心を開いてもらえるようにしてます。そうすることで、話している人の人間性というか、魅力が電波に乗るといいなと…。難しいんですけどね！(笑)
――本当に紹介したい人の魅力を、テレビでわかるように表現するのは難しそうですね。
そうそう。だって普通にお宿を紹介するだけなんて、味気ないでしょ？いろいろなところで「建物・部屋がこんなに素敵です」「お風呂が癒されるんです」「料理がこんなに美味しいんです」とやっても、場所が変わってるだけでたぶん全部一緒になっちゃうんですよ。
そうではなくて、場所も人もお宿の雰囲気も毎回違う魅力があるんだということを伝えたい。番組で伺うので、「お部屋」も「料理」も「温泉（風呂）」も普通以上のレベルなのは間違いないんですよ。その中で際立つプラスアルファをご紹介するのが、僕の腕の見せどころという感じですね。
街ブラの方はその時その瞬間に面白い人と出会えたら勝ちだし、ちょっとしたアクシデントがあったら美味しくなる。そうした出会いを求めて自由にさまよえば良いんですが、お宿紹介だとある程度ガイドが決まっていて、その中に何を見つけるか…というのが勝負になります。
番組ではカットになっていることもあるんですけど、現場では「どれか1つでも拾ってもらえれば」と思ってもっといろいろしゃべってるんですよ(笑)。ホントに、よく「独特の表現されますね」と言われます(笑)。
――たしかにいろいろな言葉や表現をされる印象ですが、普段から何か意識しているのでしょうか。
いえ、僕は冠番組だから一生懸命しゃべってるんですが、純烈時代とかはそうでもなかったんです。リーダーが回してくれるので、フリに応える程度。ほっとくとあんまりしゃべらないくらいですよ。基本的に人数がいれば、聞き手に回ることの方が多いと思いますね。
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