女優の杏が、7月22日に自身のYouTubeチャンネル「杏/anne TOKYO」を更新。「【キングダムSP】フランスでも大人気な漫画「キングダム」の翻訳家さんにお話を聞きました」と題した動画を公開した。
パリの書店で「キングダム」の翻訳家にインタビュー
原泰久の人気コミック「キングダム」原作の実写映画シリーズ第3作「キングダム 運命の炎」が7月28日(金)から全国公開される。杏は、若き王“えい政”の過去と深く関わりを持つ闇商人・紫夏(しか)役で出演している。
「キングダム」はフランスでも人気の作品ということで、フランス在住の杏がパリの書店でフランス語版の翻訳を手掛けるレミ・ビュケ氏にインタビューを行った。今回の動画はその様子を収めたものになっている。
ビュケ氏は「フランス生まれ、フランス育ちの39歳です。日本語を勉強し始めて20年が経とうとしています。翻訳家になってからは10年です」と流ちょうな日本語で自己紹介を行った。
日本では現在69巻まで発売されているが、すでに67巻まで翻訳し終わり、68巻に着手しようとしているところだと報告。7月13日から16日までパリで「Japan Expo Paris 2023」が開催されたが、フェアに行って「キングダム」ファンの声を直接聞いてきたようだ。
難しいのは“男性のフリをした女性キャラの表現”
「キングダム」を翻訳する上で難しいところを聞いてみると、「男性のフリをした女性キャラの表現」だという答えが返ってきた。それを聞いた杏は「河了貂(かりょうてん)ですね」とキャラの名前を挙げると「原先生がどういうつもりで性別を伏せていたのかを考えて、最初は“Il(彼)”と呼んでいるが、女性だと発覚してからは“Elle(彼女)”と訳しています」と呼び方の代名詞を変えたと説明した。
同じように、最初は仮面をかぶっていて男性だと思われていたキャラ“楊端和(ようたんわ)”の名を挙げて、「王だと思っていたけど女王だった。でも、Reine(女王)やRoi(王)という言葉を使わず、“Je regne(私は司る)”と表現していると工夫を凝らしたことを明かした。
戦闘シーンにおける擬音語・擬態語の多さも含めて、「日本語の豊かさの一つ」と言って、「毎回翻訳する時に思い知らされます」と語った。翻訳家のビュケ氏でもフランス語に訳しきれない表現が多いらしい。
好きなキャラクターを聞いてみると“垣騎(かんき)”の名が挙がり、「あぁ!私も一緒です!ちょいワル親父がたまらないですよねぇ」と大興奮の杏。
実写版の映画に関して、ビュケ氏は「最初は漫画の実写化、大丈夫かな?って思っていたんですけど素晴らしいですね。感動しました」と絶賛。杏もホッとした表情を見せた。
コメント欄には「表現を工夫されての翻訳がすごいです」「作品への愛を感じました」「好きなキャラがかぶって喜ぶ杏ちゃんがかわいい!」といった声が寄せられている。
※記事内「regne」の一つ目の「e」の正式表記はアキュートアクセント付き小文字の「e」