コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画家の一秒さんが描く『全てがめんどくさいウサギ』をピックアップ。
Twitterで2023年6月30日に投稿したところ、8,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、一秒さんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
日常に潜む“めんどくさい”が続々登場するゆるくて可愛いウサギ漫画
“全てがめんどくさい”
“息をするのもめんどくさい”
本作は、そんな何もかもが面倒くさいと感じてしまうウサギの日常を描いている。
ある日、ウサギが今日から働き始めるバイト先へ行くと、バイト仲間から「今日からよろしくね」と声をかけられ、思わず「ハイ!」とやる気のある返事をしてしまう。しかし、直後に“元気キャラだと思われると後々めんどうだ”と思ってしまう。そして、面倒にならないためにどうすればいいかと、ぐるぐる思考を巡らせる。
また、ある日は洗濯機の完了音がして、「干さなきゃ」と思うシーン。面倒くさくて動きたくないウサギ。しかし、生乾き臭は嫌だからやっぱり干さなきゃ…と葛藤する。でも結局面倒くささが上回り、動けないままでいるのだった。
このような日常に潜む“めんどくさい”話が、4コマで面白おかしく描かれているため、思わずフフっと笑ってしまう。さらに、ゆるくて可愛いウサギから癒しももらえてしまうのだ。
そして、この漫画に共感できる人は、きっとみんな面倒くさがりに違いない。世の中には自分と同じように感じている人がいるのだとホッとする。
Twitterでは、「全部読んで全部わかる」「可愛いし読みやすいし共感する」といった共感コメントとともに、「救われた気分になりました」という感想も寄せられた。本作は、つい面倒くさがりになってしまう人が“それでもいっか”と安心できる作品となっている。
作者・一秒さん「段々主人公の「ケンタ」が自我を持ち出しました」
――『全てがめんどくさいウサギ』を描き始めようと思ったきっかけや理由などをお教えください。
自分自身がとてもめんどくさがり屋なのでその気持ちを素直に描こうと思ったのがきっかけです。
最初は日記感覚で描いていましたが、段々主人公の「ケンタ」が自我を持ち出しました。
ケンタが自分で勝手に動き出していくのが作者としても面白かったです。
――今作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
登場人物は動物ですが心情は人間らしさを意識しました。
また顔などかなりシンプルな絵柄ですがキャラに感情移入してもらえるように「間」を意識して作りました。
ゆるいキャラがリアルな悩みを持つ、というギャップを楽しんでもらえたらなと思います。
――作品のなかで特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由とあわせてお教えください。
店長から野菜をもらって「めんどくせ~」と思うシーンは好きです。
野菜ってありがたいのですが調理コストが高い!健康的だし美味しいけど…でもめんどくさい!
だから野菜をもらうときに感じる「嬉しさとめんどくささ」という絶妙な心持ちを描けたのが嬉しかったです。
――作品では日常に潜む“めんどくさい”が多く取り上げられています。一秒さんにとって最近あった「ちょっとめんどくさかったエピソード」があればお教えください。
すっごくどうでもいいことなのですが…。
電動自転車のバッテリーを部屋に置き忘れて自転車置き場まで来てしまったことです。
「ここから部屋にバッテリー取りに戻るのめんどくさい…しかし電気なしで自転車走らせるのはもっとめんどくさい…」とその場で5秒ほど逡巡しました。
結局あきらめて部屋までバッテリーを取りに戻りました。
そう考えるとめんどくささというのは「便利」の裏返しみたいなものかも。便利になればなるほどその便利が奪われたときに「めんどくさい」と感じるのかもしれません。
――一秒さんの今後の展望・目標をお教えください。
めんウサのように日常の細かい心情やあるあるを拾うのが好きなので…。
今後もこういう細かーい心情マンガを描いていけたらと思います。
ソファでゴロゴロしながら「あ~わかる~」くらいの温度感で読めるマンガを描いていきたいです。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
マンガを読んでいただきありがとうございます。
毎日毎日「マンガ描くのめんどくさ~い」と思っていますが読者のみなさんのコメントを読むと私の「めんどくささ」がふっとびます。
是非、思ったこと感じたことなんでもコメント頂けると嬉しいです!!