<ドラマアカデミー賞>脚本賞は「ラストマン」黒岩勉氏『全盲の捜査官という設定に必然性を持たせられた』
高い構成力を見せた黒岩勉氏が2度目の受賞
2023年4~6月放送ドラマを対象に開催した第116回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞の受賞者を発表中。脚本賞は、福山雅治主演「ラストマン-全盲の捜査官-」(TBS系)を手掛けた黒岩勉氏が「マイファミリー」(2022年TBS系)以来、2度目の受賞。「最後まで飽きなかった」「予想できない結末」と高い構成力を改めて認められた。
タイトルにあるように、本作の主人公は両目の視力を失ったFBI捜査官。黒岩氏は、「プロデューサーからこの作品のお話を頂いたとき、第一に考えたことは、今、全盲の捜査官を主人公にドラマを作る理由は何だろうということでした」と振り返り、「扱い方によっては、当事者の方や関係者の方たちに失礼にもなりかねない。どういう形であれば今やる意味を見つけられるだろうとプロデューサーと相談を重ねました」と明かした。
皆実は「目は見えないけれど、物事の本質を見る力を持った人物」
その中で出来上がったのが、皆実広見というキャラクターだという。人は見えているものしか見ておらず、そのために本質を見誤るが、「皆実は見えているものの裏側にある人の感情や背景を見ることができる。目は見えないけれど、物事の本質を見る力を持った人物として描くことで、全盲の捜査官が事件を解決するという設定に、今この時代にやる必然性を持たせられたのではないかなと思っています」と語った。
現代社会が抱える課題を交えながらも、最後まで視聴者を飽きさせない展開に「職人技が満載」「いい意味で裏切られた」という声が寄せられた「ラストマン―」。福山は主演男優部門で2位に入り、皆実のバディとなる護道心太朗を演じた大泉洋は助演男優賞を受賞している。
TCエンタテインメント
発売日: 2024/02/07