8月30日に放送された「名湯秘湯 ゆるり旅」(毎週水曜夜8:00-9:00、BSJapanext)では、山梨県の山奥にある秘湯“下部温泉”へ。ますだおかだ・岡田圭右が「あの人も怪我を癒やした歴史ある湯治場」をテーマに、石原裕次郎や歴史上の偉人も浸かった極上の秘湯を堪能した。
昭和の名優・石原裕次郎ゆかりの老舗温泉宿
下部温泉の歴史は1200年以上とも言われ、古くは戦国武将・武田信玄も戦場の傷を癒やしたという。岡田が向かったのは創業94年の老舗「下部ホテル」。1万坪もの広大な敷地に建つ同施設だが、広々とした明るいロビーにある「懐かしの石原裕次郎写真展」の看板が目を引く。
興味津々の岡田が案内を頼むと、向かった先には若かりし頃の名優・石原裕次郎が映った写真がずらり。ちょうど62年前、裕次郎がスキー中に負った怪我を癒やすために訪れた先が下部ホテルだった。複雑骨折という大きな症状にもかかわらず、手術を嫌って温泉での療養にかけたというのも豪快な彼らしいエピソード。
湯治中に裕次郎が過ごした「裕林亭」に足を踏み入れた岡田は、「いや~!いいなあ和室の落ち着いた感じ!」と声を上げる。部屋を入ってすぐ左手には釣り釜つきの本格的な茶室もあり、静けさに包まれた優雅な一室。窓から見える緑も鮮やかだ。
各所に湯治中の裕次郎を写した写真が飾られており、岡田は当時のようすを想像してワクワクしっぱなし。さらに武田信玄が川中島の戦いで負った傷を癒やしたという逸話を聞くと、「古い武将から昭和の大俳優…そしてナニワの大コメディアン…いやすいません!ナニワのスベリ王がですね、入りますよ!いいんですか、いただいて!」と小ボケを挟みながら温泉へ向かった。
同宿で味わえる温泉は「アルカリ性単純硫黄温泉」と下部伝統の湯「アルカリ性単純温泉」の2つ。「硫黄泉」の方は36度の“ぬる湯”、しかし伝統の湯は25度でほぼ水といっていい温度だ。
足を踏み入れた岡田も一度凍ったように固まって、「テレビが壊れたわけちがうんですよ」と言いながら引き返す始末。温冷の交互浴が体を癒す…ということらしいが、さすがに温度差10度はキツイらしい。
「厳しいですよちょっと!」と言いながらも、なんとか冷泉に肩まで浸かった岡田。裕次郎の名作「太陽にほえろ」のテーマを大声で歌ってごまかしつつも、「冷たい…!」と泣きそうな表情になってしまう。ただ少しすると“峠を越えた”そうで、一転冷泉の効能に満足げなコメントも。その後も温冷の温泉を交互に味わいながら、ゆっくり長く浸かれる同宿の特徴を堪能した。
富士山を一望できる贅沢なお湯も満喫
山梨をあとにした岡田が続いて向かったのは、静岡県の富士田貫湖のほとりに建つ「休暇村富士」だ。名前の通り全客室から富士山が望めるという同宿は、「富士田貫湖温泉」を味わえる。
さっそく大浴場へ入った岡田には、富士山と田貫湖が一望できる絶景が待っていた。顔をくしゃくしゃにしながら、お湯とガラス越しに見える雄大な景色に満面の笑みを見せる。ちなみに同湯も、源泉は25度と水温は低め。浴場では加温した入りやすい温度の湯が入っているようだ。
お湯から出たあとは、テラスで食事をいただく岡田。お茶で有名な静岡らしく、まず出てきたのは冷えた緑茶だった。温泉を楽しんだあとということで特に沁みたのか、「うまい…渇いた体にスーッと…」と感激。特に同宿は館内すべての飲み水に富士山の地下水を使っているとのことで、岡田が飲んだ冷茶も富士山の地下水で水出ししたのだという。
富士山から湧き出る温泉を楽しみ、地下水で癒され、さらに美しい山の緑を拝む…。日本人の心に深く残る象徴たる富士山を、これでもかというほど味わえる同宿。岡田も忙しい日々の疲れがすっかり溶け出たようで、穏やかな表情を浮かべて案内のスタッフに「ありがとうございますホントに…」とお礼を伝えていた。
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