コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、化け猫が登場する漫画を多く手掛ける漫画家・室長サオリさんの『引きこもりの女の子を外に出したいお話』をピックアップ。
X(旧Twitter)で2023年9月2日に投稿したところ、3.9万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、室長サオリさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
亡くなった祖母の家には引きこもりの猫又が住んでいた…
祖母が亡くなった――。
主人公の岳は、生前の祖母から猫のことを頼まれていた。そして、祖母が亡くなって、家の管理も任されることになった。家を訪れると、部屋中ゴミの山。もう誰も住んでいないはずなのに、この状況は一体…。
「トト子ぉ?帰ってきたの?」
トト子とは祖母の名前だ。そして、ゴミの山から姿を現したのは、妖怪の猫又だった。猫又といっても、見た目は猫耳に二股のしっぽが生えた可愛らしい女の子だった。名前はキンカ。
キンカはずいぶん昔から祖母と一緒に暮らしていたらしい。思えば、岳が子供の頃、祖母の家に遊びに来たときに気配を感じた気がする。
キンカは引きこもりで祖母の家から出たがらず、部屋はゴミの山。だらしなく、怠け者の生活だ。猫又の世話を任された岳は、キンカの引きこもりを治そうと試みるのだった。
トト子が帰ってこず、突然やってきて部屋の掃除をしようとする岳に戸惑うばかりのキンカだったが、岳が作ってくれた料理にホッとする。
「…トト子と同じ味だ」
岳の中にトト子を感じるも、スパルタな引きこもり脱却のしつけに戦々恐々とするキンカ。果たして、キンカは引きこもりから卒業できるのか。そして、岳とは祖母と同じように素敵な関係を築いていけるのか…。
可愛らしい作画とドタバタとした様子で終始楽しく展開しつつ、優しさや温かみが感じられるお話に、「めちゃくちゃいい話やん…」「普通に連載して欲しい」などのコメントが多く寄せられた。
作者・室長サオリさん「目に見えないものの物語を考えるのっていつまでも飽きない」
――『引きこもりの女の子を外に出したいお話』を描き始めようと思ったきっかけや理由などをお教えください。
単純に、かわいい女の子を描きたいなという所からです。
そこからさらに自分の好きな「猫」「妖怪」を足して、長生きしてる妖怪の猫又が引きこもりだったら面白いかなってキャラクターから作っていきました。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
猫又の女の子の表情や動きです。
かわいくて、なんでも大げさにコロコロ変わったら描いてる自分もそうですが、読んだ人も楽しいだろうなって。
――今回のお話の中で、特に気に入っているシーンやセリフを理由とあわせてお教えください。
ご飯を食べて「…トト子と同じ味だ」と同じ味でびっくりのような、懐かしさでホッとしたような表情のコマです。
表情含めわんわん騒いでた子が、大切なものにまた出会えてほっとした感じがうまく描けた気がします。
――室長サオリさんのX(旧Twitter)には、漫画以外にも猫の写真が多く投稿されています。また、漫画では、猫又をはじめ化け猫が登場するお話を多く創作されている印象でした。猫の中でも特に妖怪を描く理由やこだわりなどがあればお教えください。
猫の妖怪が多いのは、猫が好きで、でも猫は人の言葉を話すことができないからしゃべってくれたら…と思ったら。しゃべる猫…猫又とか化け猫とかの妖怪かぁと意思の疎通が出来たらいいなと妄想、想像するようになってからよく動物系の妖怪を描くようになりました。
あと、目に見えないものの物語を考えるのっていつまでも飽きないです。
――今後の展望・目標をお教えください。
描きたいなと思った話ができたら描き上げてどんどんSNSやサイトに発表していきたいです。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
またか~と思われても、これからもいろんな猫や妖怪の話を描いていきますのでどうぞよろしくお願いします!